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おわりとはじまり

週末にアトリエの移転をした。

理由は、過去の記事にも書いたように、再開発にともなう取り壊し。

はじめは都内近郊で次の場所を探した。便利なところで探していたが、合間についつい古民家を探している自分がいた。都心からはじまり郊外やら都外やらいろいろ探したが、あるとき、そういえば古民家なら探さなくてもひとつあるじゃないかと思い立った。つまり実家。両親もいまは健康だがいつまでもそうはいかないし、いいタイミングかもしれないと思った。大好きな垢抜けない音のするKAWAIのアップライトピアノもあるし。

東京港区にあるかつて芸術家村とかスペイン村とか呼ばれた戦前の集合住宅から、新潟の古民家へ。戦前のモダン建築から戦前の伝統建築へ。

仕事の拠点はひきつづき東京、作品制作の拠点は新潟の、二重拠点生活のはじまりだ。

最後にここで展覧会をやりたかったが間に合わず。別れの日、友人を数名を招待できてよかった。
東京タワーとあれが見える窓。午前にはたくさん光が入る部屋だった。
長い間住宅にもしていたので、ここは息子にとって「実家」だった。
新潟はこれから長く厳しい冬を迎える。
本格的な新潟での制作は息子の受験が終わってからになるだろう。

立ち退きが決まってからいままで、心身ともに本当にしんどかった。最後のほうは(いまもまだ)SNSを見たくないくらいになった。何がしんどかったか、さっきまでつらつらと書いていたが、後ろ向きの文章がつまらなくなって全部消した。一連の断捨離のおかげで、つまらないものを捨てることに以前より躊躇がなくなった。ものを捨てることのプラスの面は、強制的に前向きにならざるを得なくなること。

回復するまでしばらくかかりそうだが、徐々に前向きになっている。

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