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ヤンバルの村言葉(しまくとぅば)でも語れない沖縄戦の記憶 ――目取真俊の最新短編集『魂魄(こんぱく)の道』を読む

ヤンバルの村言葉(しまくとぅば)でも語れない沖縄戦の記憶 ――目取真俊の最新短編集『魂魄(こんぱく)の道』を読む

待望の新作短編集である。二〇一四年三月から二〇二二年五月までに商業誌に載った短編五つが収録されている。どれひとつを取ってみても、何度も推敲を繰り返したことがうかがわれる、エドガー・アラン・ポーの心理ミステリーばりの無駄のないハイブリッド(日本語と沖縄語)の文章で描かれた目取真ワールドが展開する。

共通するテーマは、沖縄戦の記憶だ。

北部ヤンバルの少年少女がかつて経験した沖縄戦を、目取真俊はどの

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口に骨を咥(くわ)えた犬

口に骨を咥(くわ)えた犬

                         

「口に骨を咥(くわ)えた犬は、吠えることができない」

これは、僕がおこなうキューバのアフロ信仰の占いの、とある運勢に出てくることわざの一つである。

口に骨を咥えた犬といえば、イソップの寓話があまりに有名だ。

犬が橋の上から川を覗きこむと、川面に骨を咥えたもう1匹の犬の姿が映っていた。

それで、その犬の骨まで欲しくなり、ワンと吠える

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