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身体を通して「わかる」こと|未熟なわたしがMixture Hubについて考えてみた Vol.3

Writer: 新野 瑞貴
もうあっという間に2023年も8月。この猛暑に蝉も早朝4時、比較的涼しい時間に元気よく鳴いてることに最近気づきました。4年間のオーストラリア留学を経て現地大学を卒業後、SLOW inc.入社。3年目のCommunication Designerです。

前回の記事から気づいたら1年半。
あの頃は、ロバート下北沢の運営メンバーとして、社会人歴1年未満の「未熟なわたし」がこの連載を通して思考整理しながら、施設のアップデートに励んでいました。

最近は、ロバート下北沢の編集長、コミュニティーマネージャー、店長…といろいろな肩書きで呼ばれることが増えましたが、未だに頭の中はアップデートのことでいっぱい。熟すことなんてあるのかしら、と思いながらまだまだ未熟です。

ロバート下北沢の刊行物「タブロイド」制作中

ロバート下北沢を一言で表すと?

ちょっと変わったコワーキングスペース?

私たちは、この質問にいつも即答できません。
コワーキングスペース?いえ、ただのコワーキングスペースではなく、カフェやパブも併設していて、イベントや展示も行っています。その際に関わる人たちが悩んでいれば、コンセプトやPR方法などを一緒に考えます。

一言では表せないけれど、ここに集まる人たちは、好きなことや目的のために真摯です。楽しみながら、向き合っているからこそ人を魅了する空気を醸し出す。そんな空気感を切り取るメディアツールとして、タブロイドを選びました。情報が流れるように更新されるWEBやSNSではなく、アナログな紙面だからこそ、手に取って、めくって、感じて欲しいと願いながら制作中です。

アートディレクターと「あーでもない、こーでもない」と話しながら作成中のカンプ

いろいろな解釈で利用できるロバート下北沢

ふらっと立ち寄り 「集まれる場」でもあり、
他者を肌で感じながら 「働ける場」でもあり、
モヤモヤを抱える人たちの 「受け皿となる場」でもあり、
一歩を踏み出すための 「きっかけとなる場」でもあり、
好きなことを突き詰められる 「実験の場」でもある。

「こんな場所がほしかった。そう言われる場所を目指して」より

ロバート下北沢は使い方を限定していません。本を読みにくる人もいれば、歌を歌いに来る人もいる。コーヒーを淹れに来てくれる人がいれば、展示を見にくる人もいます。

その中でも、「実験の場」としての在り方は今後もっと大事になってくる側面だと思っています。

わかりやすいが当たり前の世の中

最近は「5分でわかる〜学」だとか「すぐにマスターできる〜まとめ」といった見出しのついたネット記事や動画をよく目にします。情報に溢れている社会の中で、私たちはわかりやすさや答えを他人から与えられることが当たり前になってしまっているような気がしています。

私もそれに甘えてしまっている一人です。だからこそ錯覚に陥りがちなのですが、ギターの練習動画を見たからって弾けるようにはならないことと同じで、身体を動かし、反復練習をすることで「身につける」ことと、「頭の中だけでわかる」ことは異なることを忘れてはいけないなと感じています。

思考する文化が生まれる場所

情報社会のスピードが速いからこそ「頭ではわかっている」ことは増える一方。それでも昔から変わらないことは、身体はひとつしかないこと。頭でわかっていてもうまくいかないというようなお悩みを聞くことが増えています。

目の前の情報ですぐに判断してしまうのではなく、「こう言われているけれど、それって正しいの?」「もっといい方法ないかな?」「うちのメンバーにはこのやり方が合うかもしれない」そうやって、トライアンドエラーを繰り返すことでのみ、自分や団体を育てていくことができます。

■ millenniumのコンセプトブック

ロバート下北沢で土日のお昼にカフェを営む学生団体「millennium」は、自身のカフェ運営の経験から、『将来への不安』を抱える同世代にどのように『将来へのワクワク』に変えられるか、それに対してmillenniumは何を提供できるかを冊子にしました。

millenniumの新しい取り組みはこちらの記事から▼

ただカフェを営むだけでなく、その経験で感じ取ったものをさらに拡張するために考える。millenniumに限らず、ロバート下北沢で実験する人たちは、「思(身体を動かすことで思う/感じとる)」→「考(考える)」することを日々繰り返しています。

どうやったら伝わるか、どうやって仲間の士気を上げるのか、どう集客するか…。すぐにわからないことに対してどう向き合っていくか、みんなのトライアンドエラーと並走しながら、実験できる場所を提供し続けたいなと感じます。

\次回はmillenniumのコンセプトブック制作過程をご紹介します/


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