5月28日

家内に風邪をうつしてしまった。

熱が38度まで出て大変な思いで僕に連絡をしたけれど、こちらも昼から忙しく携帯を見る時間がなかった。結局SOSには気付けないまま、夕方頃に慌てて帰った。
家に帰ると家内はすこぶる不機嫌な様子で娘のご飯の準備をしていた。とりあえずそれを引き取り、娘にご飯を食べさせる間、横になっていてもらった。
ご飯を食べさせ、風呂に湯を張っている間に起き上がってきた。
そして怒られた。
もとはといえば僕が引いた風邪である。それなのに家族に伝染さないように予防策をとらないとは何事か、マスクをしろ、娘に伝染るあるいは私が風邪を引くことがいかに家庭内の不安を大きくさせるかわかってるのか、最終的に何とかしてもらえると思って、云々。
まったくもってその通りだ、反省しよう。

そのまま娘を風呂に入れた。いつもは娘は食事のあと乳を含ませてもらいそれから風呂に入るのだけれど、今日はお父さんのせいでその乳は抜きである。娘からしてみればとんだとばっちりであるが、少し前から乳離れをすすめるためにこの夕飯と風呂の間の乳をカットする計画であった。そういうわけで、なし崩し的に乳離れが少し進んだ。
娘ももらうはずのものをもらえず、風呂の中で大変不機嫌だった。
すべては父のせいである。

風呂から出て家内に抱っこしてもらえた娘の機嫌は少し持ち直した。その間に風邪の家内が食べられそうなものを買ってくることを申し出た。家内の注文はフルーツと割り子そばであった。

自転車でスーパーに来た。フルーツという注文だったが、何を買えばいいのかわからず、とりあえずカットパインとリンゴとオレンジをかごに入れた。前に家内からリンゴの選び方を教わった。リンゴをひっくり返してお尻を見たが、そのあとはよくわからなかった。
スーパーは便利なもので、まさしく割り子そばか売っていた、かごに入れる。さてこれで家内の注文は揃ったが、家内は気分屋なところがあるので「これは違う」と言うかもしれない、手軽に食べられそうなものを他にも買っていくことにし、5個入りミニクリームパン、フルーツゼリー、そしてハーゲンダッツのバニラをかごに入れる。
同一家計内であろうと、ハーゲンダッツを買っていくのはお互いの精神衛生上とてもいい。節約家の家内だから自分ではハーゲンダッツは選ばない。ハーゲンダッツ買ってしまったら食べるしかないし、それは家内としてもやぶさかではないだろう。

帰ると娘は眠っていた。いつもならまだ寝る時間ではなかった。しかも、聞けば乳をもらわずに寝てしまったということだった。
すぐに起きてしまうかもしれないが、何はともあれ家内にそばを食べることをすすめた。家内がそばを食べている間に洗い物をした。家内はそばを平らげ、カットパインに手をつけた。しかし一切れ食べただけで「風邪を引いているから変な味がする」と言ってよしてしまった。僕はハーゲンダッツをすすめた。家内はこれは食べた、ハーゲンダッツは偉大だ。
家内がアイスを食べ終わる頃に娘が起きてしまった。しかしまだ少し眠たそうであったので、家内が娘に乳を含ませて寝かしつけることにした。娘は今日ははじめてのおっぱいだった。
その間に僕は適当に夕飯を支度して、これをすませ、食後に牛乳を一杯飲み、歯を磨いた。
寝かしつけに成功した家内が寝室から出てくると、家内に別室で寝るようにすすめた。

実は娘と二人きりで寝るのは今晩がはじめてだ。
娘は夜何度か起きる、らしい。らしい、というのは、僕がそれに気づくのはいつも、よっぽど娘が激しく泣いたときだけで大体はその前に家内が目覚めてもう一度寝かしつけている、らしい。
今晩は家内はいない。果たして娘が寝ぼけたときにもう一度寝かせてやれるであろうか。
この晩はなかなか僕自身が寝つけなかった。寝ても少しすると目が覚めてしまった。何度も娘をもう一度寝かせてやることができずに途方に暮れる夢を見て起きた。
風の強い夜で、明け方近くまで風の音とはためくカーテンの音を聞いていた。

娘は朝まで起きなかった。気を効かせてくれたのだろうか。
僕一人が慌てただけだった。

#日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?