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一人称問題 勝者は私か僕か、はたまた、、、

 日本語には一人称の種類が多い。
『私・僕・俺・俺様・自分・うち・名前呼び・あっし・おいどん・吾輩・我・某・拙者・・・』
 パッと思いついたものだけでもこれだけある。英語なんて ’’ I ’’ 一択であるというのに。日本語が難しいといわれている所以はこんなところにもあるのかもしれない。

 皆さんはどのタイプであろうか?ちなみに筆者は『私』を使う女の子がタイプである。かわいらしさとおしとやかさがいい塩梅で表現されているからだ。明日から全女子が『私』だけ使えばいいのに。

 
 文章を書くにあたって、文章内での一人称を統一化したいなと考えている。

 以前の投稿では『私』としておいたのだが、普段が『俺』であるというのと、『私』だとなんだかかしこまった感じがするというので少し気持ち悪いというのが本音である。

 そこで今回は、自分を納得させる理由と共に、一人称を決めようという回にしたい。決まるまでの文章はとりあえず『私』で行かせていただきたい。

 
 『私』は前述のとおりで、次は『僕』だが、正直ここが事実上の決勝戦であると感じている。前回の投稿でなぜこちらにしなかったかというと、医学生で『僕』だと、お坊ちゃま感が出てしまうような気がしたからである。私は両親共働きの一般家庭に生を授かったので、どうにも腑に落ちなかったのである。ただ、唯一『私』と張り合える呼び名であることは変わりない。

 次の『俺』だが、日常で使う分にはかなり一般的だと思うが、これを文章で使うとなると、不思議なもので途端に治安が悪くなる。即却下である。

 『俺様』は『俺』とは逆で、日常で使ってしまうと、俳優・松田翔太さんでない限り、変わり者のレッテルを貼られてしまうだろうが、文章で使うと「ああ、そういう感じでやってらっしゃる方なのだな」と、キャラのひとつとして認識されるかもしれない。だが私はそんなキャラはご免なので却下である。

 『自分』だが、これで来られると皆さんは何を思い浮かべるだろうか。私は坊主に学ランで、ネーム入りのエナメルを肩にかけて5人くらいでラーメンをすすってそうな学生たちを思い浮かべる。かく言う自分もそのうちの一人であった時代がある。私は過去なんか振り返らず、前だけを向くポジティブでいい男になりたいので却下である。

 次の『うち』および『名前呼び』は、女の子がやっているのであれば、まあいるよね、となるが、私のような人間がやっていたとしたら、私は法律には疎いが、おそらく法に触れるので、前科持ちにはなりたくないという点で却下である。

 その他の呼び方は、時代とか諸々違うと思うので言うまでもなく却下である。

 結局、『私』と『僕』が最後まで残ったのだが、両者にそれぞれ何とも言えない違和感が残っているため、自分では決めることができない。そこで、私が好きな星野源さんにお力添えいただきたいと思う。

 家にある、何度も読み返した星野源さんのエッセイを開く。

私はゆうたろうのように眉間にしわを寄せて歩きながら、、、

 適当に開いたページに書かれていたのは、シュールな内容の一行と『私』という一人称だった。


 多少強引なような気もするが、決定である。これからは文章内では『私』で行こうと思う。

 一人称問題で頭を抱え、毎夜毎夜枕を濡らした同志たちにはぜひこの投稿を参考にしてほしい。私はいつだってそんな方々の味方である。

 そんな同志を救うべく、前述の議論をもとに、そのほかの一人称もこちらで決めさせていただこう。

・プライベートでは『俺』 女の子は『私』
・歌の中では『僕』
・野球部は『自分』
・そして、『俺様』は松田翔太。

 これが最適解である。一人称問題で日々を黒く塗りつぶしてしまっている悩める同志たちが、これで救われることを願ってやまない。

                         __国立医学生の日常

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