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アサヒ・グリル

「絶対好みなお店だと思う!」
アラモアナで待ち合わせて合流した後、ハンドルを握るニッキが自信ありげにそう言いながら連れてきてくれたのは、Ke'eaumoku St. の「Asahi Grill」だった。

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アサヒ・グリル!行きたかったんだ!と、思わず声が弾む。
オアフに着いたらまずはこれを食べないと始まらない、とか、
飲んだ翌日がことさら旨いんだよね、とか。
たくさんの「ハワイ通」が口々にそういうのを長年聞いてきた、アサヒ・グリルのオックステイル・スープは、わたしの中でもう、湯気と共に出てきそうなくらい、憧れが具体化してた。それでも行ったことがなかったのは、ちょっと「観光客向け」ではない地帯の、ごしゃ、っとした雑居ビル風にお店がひしめく場所の一角だったからかもしれない。

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それでも、ドアを開けたら居心地の良さそうなファミリーレストランのリラックスしたムード。
この日は日中、独りでカイルア・タウンをぶらぶらとしてきて、「ほんのちょっと」駐車している間に駐車違反のキップがワイパーに挟んであった、という、気持ちの塞ぐ出来事があったけれど、そんな憂鬱もアロハ・ラガーで乾杯したらどこかに吹き飛んだ。

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オックステイルスープも、2スクープのライスと1スクープのマカロニを「添えた」鶏の唐揚もどちらもとても落ち着く美味しさ。毎日でも食べたい。

でも、まだ外の明るい6月の18時に始まったこの晩餐は、お料理よりも楽しみなメイン・ディッシュがあった。
それは、この日初めまして、の、ペコさん。
ステキなレディを紹介するよ、と、ニッキが会わせてくれる手立てを整えてくれていて、それが今回なにより楽しみだった。

(↓写真左:ペコさん、右:ニッキさん)

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二人とも若いときからハワイで暮らしてきて、ペコさんのその、まるでジェットコースターのようなハワイでの生活のエピソードは、聞いても聞いても足りないくらいの、一大ドラマ。
「人生は小説よりも奇なり」を、人をハッピーにさせるふんわりした笑顔と声で静かに話してくださる、ギャップの深みにはまり、思う存分話を聞かせてもらった。
私達が日本で馴染み深く親しんでいるとある調味料も、このペコさんのお力あって実現したものだと知って、帰国後、新たな気持ちで買いに行ったし、
この年、この後渡ったハワイ島での定宿の大家さんともお知り合いで、世の中は広いのだか狭いのだか、わからなくなった。

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ニッキが用意してきてくれたチョコレイトで、晩餐はおひらき。
わたしも、苦さを携えつつも甘さを忘れない、すてきオールドレディになりたい。

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