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発表!町田ミュージカル賞2022

今年も町田ミュージカル賞の季節がやってきた。……「今年も」と言えるほど定着なんて全くしてないしする気配もない上、「季節」と言えるほど決まった時期に発表もしていないのだが、1年間に日本で上演されたミュージカルのうち最も心動かされた作品と俳優に、ミュージカル文筆家・町田麻子が個人的に進呈して4年目となる賞である。

文筆を生業として20年弱、何事もできるだけコンパクトにまとめることを身上とし、もはやそれが癖にもなっている私に2022年末、降って沸いた「長尺」への興味。その実験段階にある今、この媒体と題材は好き勝手書くのにうってつけなので、今年は何一つ割愛とかせずにダラダラと綴ってみようと思う。というわけでまずは、第1回~3回のおさらいから。

■第1回(2019年作品対象)町田賞
※リンク先の後半部分が賞発表

▼作品賞:
『キンキーブーツ』『天使にラブ・ソングを』『レ・ミゼラブル』
▼この人のこの役賞:
三浦春馬ローラ、花總まりシシィ、Crystal Kayリーディングプレイヤー
▼どの役でも輝いてた賞:霧矢大夢、昆夏美、ソニン
▼新人賞:Crystal Kay、朴璐美、林翔太
▼企画賞:
『(愛おしき)ボクの時代』『怪人と探偵』『グレート・コメット』

■第2回(2020年作品対象)町田ミュージカル賞

▼作品賞:
『ライオンキング』『帝劇コン』『ビリー・エリオット』
▼この人のこの役賞:
鹿賀丈史渡辺勘治、井上芳雄ジャーヴィス、MARIA-Eベビーシッター
▼どの役でも輝いてた賞:福井晶一、安蘭けい、内藤大希
▼新人賞:パクヘナ、鈴木瑛美子、尾上右近

第3回(2021年作品対象)町田ミュージカル賞
※ごめんなさい有料です

▼作品賞:
『レ・ミゼラブル』『SPAMALOT』『ウェイトレス』
▼この人のこの役賞:
京本大我ジャック、佐藤隆紀バルジャン、内藤大希マリウス
▼どの役でも輝いてた賞:三浦宏規、田村芽実、安蘭けい
▼新人賞:竹内涼真、花村想太、石田ニコル
▼企画賞:
『衛生~リズム&バキューム~』『SHOWTIME』『あいまい劇場 あくと』

選出理由についてはそれぞれのリンク先をご覧いただくとして、ここで少し補足をしておくと、すべて3作/3人ずつで順不同、あるとすれば上演順であって順位にあらず。また、新人賞はその年ミュージカルデビューを飾ったというよりその年から町田のなかでその人にやってほしい役の妄想が膨らむようになった、そして企画賞は日本オリジナルミュージカルの今後の発展を考えるにあたり有意義な公演だった、といった意味合いだ。この基本方針は、今年も踏襲しようと思っている。では、いざ第4回!

作品賞①生きてること全肯定ミュージカル

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