著名な物理学者たちが初めは反対していたものの、後に広く受け入れられるようになった説を時系列で挙げてみましょう。

1. 原子説（1808年） - ジョン・ダルトンが提唱した原子説は、当初は多くの科学者には受け入れられなかった。特に、エネルギー保存の法則を発見したルートヴィヒ・ボルツマンなどが、原子説を支持していたが、これに対してエルンスト・マッハやヴィルヘルム・オストヴァルドなどの一流の科学者たちが懐疑的だった。

2. プレートテクトニクス（1912年） - アルフレート・ヴェゲナーが提唱した大陸移動説は、最初は科学界から広く拒否された。多くの地質学者や地球物理学者がこの理論に反対し、受け入れられるようになったのは1960年代のことだった。

3. 量子力学（1920年代） - 量子力学の基礎を築いたのはニールス・ボーア、ヴェルナー・ハイゼンベルク、エルヴィン・シュレーディンガーなどであるが、アルベルト・アインシュタインやエルンスト・マッハのような物理学者からは、その確率的な性質に対する強い反対があった。

4. ビッグバン理論（1940年代後半） - ジョージ・ガモフらが提唱した宇宙の始まりに関するビッグバン理論は、当初フレッド・ホイルなどによって反対されていた。ホイルは「ビッグバン」という言葉を揶揄的に使っていたが、宇宙背景放射の発見によってビッグバン理論が広く受け入れられるようになった。

反対した人が行った功績も知りたい

それでは、上記の理論に反対した物理学者たちの主要な功績について詳しく見ていきましょう。

1. エルンスト・マッハ：

   • マッハの原理：アインシュタインの相対性理論に影響を与えた概念で、宇宙の物体がどのようにして互いに影響を与えるかを説明しています。

   • 音速の研究：マッハ数（飛行機の速度が音速の何倍であるかを示す数）の名前の由来となった。

   • 感覚知覚の研究：心理学および生理学的な観点から、人間の感覚知覚の基本的な原理を研究しました。

2. ヴィルヘルム・オストヴァルド：

   • 化学における功績：1909年にノーベル化学賞を受賞しました。特に、触媒作用や化学反応の速度に関する研究で知られています。

   • 色彩理論：美術および工業設計に影響を与えた色彩体系を開発しました。

   • エネルギエティク：科学の全領域にわたるエネルギーの概念を強調し、化学におけるエネルギーの重要性を普及させました。

3. フレッド・ホイル：

   • 星の核合成理論：星内部での重元素がどのように生成されるかの理論を提唱しました。

   • 宇宙定常状態理論：ビッグバン理論に対抗する形で、宇宙が過去も未来も大きく変わらない状態であるとする理論を提唱しました。

   • 天体物理学の研究：多くの天体物理学の研究に貢献し、特に銀河の構造や進化についての理解を深めました。

これらの学者たちは、当初は特定の新理論に反対していたものの、その他の分野で顕著な貢献をしており、その功績は科学の多様な分野にわたっています。彼らの批判的な見解は、科学の進歩において重要な役割を果たし、より堅固な理論構築に寄与しました。