⚛️密度行列とフォンノイマンエントロピー

密度行列とフォンノイマンエントロピーは、量子力学と量子情報理論の分野で使用される概念です。

  1. 密度行列: 量子状態は通常、状態ベクトル (|ψ⟩) で表されます。しかし、システムの状態が確定的でない場合、つまり、複数の異なる状態にある可能性がある場合、そのシステムは「混合状態」と呼ばれます。混合状態は、密度行列 (ρ) を使用して表されます。

密度行列は、次のように定義されます。

ρ = ∑ p_i |ψ_i⟩⟨ψ_i|

ここで、|ψ_i⟩ はシステムが取りうる状態の一つ、p_i はその状態 |ψ_i⟩ の確率です。

  1. フォンノイマンエントロピー: フォンノイマンエントロピーは、量子システムのエントロピー(不確定性や乱雑さ)を測るための概念です。フォンノイマンエントロピーは、次のように定義されます。

S = -Tr(ρ log(ρ))

ここで、ρ はシステムの密度行列、Tr はトレース(行列の対角成分の和)、log は自然対数です。

フォンノイマンエントロピーは、情報理論におけるクラシカルなシャノンエントロピーの量子力学への拡張とみなすことができます。量子システムが純粋な状態の場合(つまり、混合状態でない場合)、そのフォンノイマンエントロピーは 0 になります。逆に、フォンノイマンエントロピーが 0 の場合、そのシステムは純粋な状態にあるといえます。


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