2014放射線科専門医試験(一次試験)治療分野 解答・解説

2014放射線科専門医試験(一次試験)治療分野解答解説

・このnoteは放射線科専門医試験(一次試験)のうち、放射線治療分野のみに関して解答・解説しています。診断分野・核医学分野に関しては解説していませんのでご注意ください(問題番号6-8、86-105)

・主として放射線科専門医試験(一次試験)を受験する診断科の先生を対象としています。診断科の先生にとって放射線治療は馴染みのない分野であり、正直面倒なところでしょう。
・放射線治療医の立場から、ただ知識を暗記するのではなく論理的思考により答えを導き出せるよう解説しております。ただしどうしようもない選択肢もありますが…
・個人が調べた範囲の解答案ですので、誤植や間違いはご容赦ください。なお適宜アップデートしていく予定です

・この解答案を作成するのに24時間以上かかりました。ご自身で調べるより、noteを購入していただいた方が費用対効果は高いはずです。

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LQモデルの式biological effective dose(BED)= nd(1 + d/[a/b])を思い出しましょう。腫瘍細胞はa/b=10、正常組織はa/b=3です。これを覚えましょう。急性期効果のα/βは 8 〜12 Gy,慢性期効果のα/βは 2 〜4.5 Gyに集約されます。

したがって答えはa-bとなります。

7
お腹の放射線治療はいつも50Gyです。子宮頸癌、膵癌、直腸癌。だいたい50Gyくらいです。なぜか。小腸の耐用線量が50Gyだからです。答えはdです。

8
小細胞肺癌の基本は根治AHF(加速分割照射) 45Gy/30回1日2回6時間以上開けて、予防的全脳照射25Gy/10回、脳転移30Gy/10回程度。なぜ6時間あけるかといえば、脊髄の亜致死障害からの回復を期待するためです。
したがって1日3Gy、15日の治療
非小細胞肺癌:根治60Gy/30回CRT、末梢限局ならSBRT 48Gy/4回、脳転移30Gy/10回程度です。
したがって1日2Gy、30日の治療。

この2つを比較しますと、答えはdとなります。

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