除細動器は、心室細動または脈拍のない心室頻拍に苦しんでいる患者に電気ショックを与えて正常な心拍リズムを回復する医療機器です。 除細動器の主な機能には、ショックの供給、心拍リズム、心拍出量のモニタリングが含まれます。 利用可能な除細動器の主な種類は、植込み型除細動器 (ICD) と体外式除細動器です。 ICD は、心臓のリズムを監視し、必要に応じてショックを与えるために体内に埋め込まれる小型の電池式装置です。 体外式除細動器には、手動除細動器、自動体外式除細動器 (AED)、および病院の外で使用されるウェアラブル除細動器 (WCD) が含まれます。 心血管疾患の有病率の上昇と、公共アクセスによる除細動プログラムへの注目の高まりが、除細動器の需要を促進する主な要因です。 世界の除細動器市場は、2024年に168億4,350万米ドルと推定され、2023年から2030年の予測期間にわたって5.7%のCAGRを示すと予想されています。

重要なポイント
除細動器市場で事業を展開している主要企業は、Koninklijke Philips N.V.、Metrax GmbH、Medtronic、Mindray Medical International Limited、Boston Scientific Corporation、GE Healthcare、日本光電、Abbott、BIOTRONIK、Stryker、および LivaNova PLC です。 フィリップスとメドトロニックは、多様な除細動器製品ポートフォリオと強力な地理的プレゼンスにより、合わせて市場シェアの半分以上を保持しています。

対象疾患による経済的負担の増大と、世界中で公的アクセスによる除細動プログラムの数が増加していることにより、除細動器の需要が高まっています。 WHO によると、心血管疾患は毎年 1,790 万人以上の命を奪い、世界の主な死因となっています。 このため、除細動器などの治療および監視デバイスに対する高い需要が生じています。

技術の進歩により、除細動器の適応範囲が拡大しています。 遠隔モニタリング、接続性の強化、埋め込み型デバイスの小型化などの高度な機能により、患者の治療成績が向上しています。 ウェアラブル除細動器は、植込み型デバイスの使用資格がない患者に突然の心停止に対する安全な保護を提供します。

市場動向

1. 遠隔監視技術の進歩: 大手企業は、除細動器への遠隔監視機能の統合に注力しています。 これにより、機器設定と心臓リズムを臨床医に継続的に送信し、タイムリーな診断と介入が可能になります。

2. 非侵襲的除細動器の支持の高まり: AED やウェアラブル除細動器などの非侵襲的除細動器は、使いやすさ、携帯性、迅速な治療のためのリアルタイムの不整脈検出などの利点により人気が高まっています。

市場機会

1. 未開発の新興市場: アジア太平洋地域とラテンアメリカの新興国は、医療サービスへのアクセスの改善と医療支出の増加により、大きな機会を提供しています。

2. 費用対効果の高い機器の開発: 世界中で除細動プログラムの適用範囲を最大化するには、手頃な価格で使いやすい除細動器が必要です。 新しいテクノロジーの統合はコストの削減に役立ちます。

除細動器市場は、心血管疾患の有病率の上昇に加え、遠隔監視技術の進歩と非侵襲性デバイスの選好により、最高のペースで成長すると予想されます。

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）が除細動器市場の成長に与える影響

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミックは、除細動器市場の成長に大きな影響を与えています。 最初の流行中、リソースを新型コロナウイルス感染症患者の治療に振り向けるため、多くの選択的処置や不要不急の医療機器の購入が延期されました。 これにより、2020年には除細動器の需要と売上が減少しました。しかし、2021年半ば以降、ワクチン接種の推進と世界的な規制の緩和が進み、除細動器市場は着実に回復してきました。

新型コロナウイルス感染症以前の予測では、心血管疾患の発生率の上昇、高齢者人口の増加、技術の進歩により、除細動器の需要が堅調に増加すると予想されていました。 しかし、パンデミックによりサプライチェーンが一時的に混乱し、病院や医療施設の調達決定が延期されました。 今後、市場は勢いを増し、2023年から2030年までの予測期間にわたってパンデミック前の予測を上回ると予想されます。成長は、医療支出の回復、先進的な機器の継続的な発売、将来の医療緊急事態への備えの重視によって促進されるでしょう。 市場関係者は、パンデミック後の状況で増大する需要に応えるために、流通ネットワークの強化、在庫水準の構築、生産能力の合理化に注力する必要がある。