星空

【Vol.6 家族と共に大阪を離れて分かったこと~沖縄編~】

こんにちは、はるちゃんです。
季節の移り変わりも感じる今日この頃。

今回は、かしまさんのお話をお伝えしていきます。
実は前回お伝えした、やまうちさんの奥さまでもあります。

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大阪工場にてお仕事される中、やまうちさんのチャレンジと共に会社の配慮もあって、一緒に現地に行くことへ。
2013年春に新たな挑戦が始まった彼女のお話です。

もともと工場現場での経験から、当初はジュース製造工場の5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)など工場らしく作り上げていくことを任務となったものの、実際現場では工場経験の無い人ばかり。
まずは2S(整理・整頓)からの教育をしていくなど、基本的なところで取り組むべき問題が山ほどありました。 
工場のメンバーに、「工場とは」を知ってもらうために大阪工場の協力も受けて見学や体験をしてもらう機会を設け、自主的に改善していく姿勢を持ってもらうよう促したそうです。

そんな中、ジュース製造工場では規模や人員なども含め、納品してすぐの加工が難しい部分もあり、翌日に持ち越さざるを得ないことも。
実際に持ち込まれる生果は加工用でいわばB品であるためキズなどもあり、日中の気温が高い石垣島では醗酵が始まるのも早くハエや蜂が集まりだしてしまい、作り手である農家さんからのお叱りは、今でも鮮明に覚えているそうです。

その後、ハム・ソーセージの製造者に…という話もあり、専門の知識を持った方の指導を受けながら製造を学ぶためハム工房へ。

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(やえやまファームのソーセージ・ハムは本当にジューシーで私も大好きです。)

精肉工場から原料となるモモ肉やウデ肉を引き取り、形を一定にしながら、小分けに解体してミンチ肉に加工、腸詰し燻製するという流れで作られています。

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昔ながらの製造法に基づき天然の羊腸・豚腸を使って一つ一つ手捻りで作り上げているソーセージ。 
1本1本丁寧に乾塩を手で擦り込んで作り上げているロースハムやベーコン。

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こだわりを持った製造技術を習得し、今では後輩メンバーに指導する役割を担いながらも精肉加工所のハンバーグ・ロールステーキ・豚味噌・牛しぐれ煮等の製造などをされています。

大阪から石垣島へ環境を移し、仕事だけでなく、様々な環境の違いにカルチャーショックを受けることが多かったそう。
虫は多いし、ヤモリはどこからでも入ってくる。
今まで経験したことの無い巨大な台風が、年に何十回とやってきて台風対策を怠ると大変なことになる。
台風後は物資が届かずスーパーの棚はガラガラ状態が数日続くため買いたくても何も買えないという切なさを実感する瞬間でした。

もともとの生活では欲しい物は何でもあり、流行りに流されてあれもこれも買ってしまいがちな日々を送っていましたが、ここは流行りとは全く縁のない島生活。 
何もかもがまるで昭和時代にタイムスリップしたかのようで、正直、「何故この年齢になってこんな生活をしなければならないんだろう…」と感じられたそう。

それでも、「数年暮らしてみると住めば都という言葉があるように住んでみたからこそ島の良さが見えるようになった」と話します。
あちらこちらに牧場や牧草地、サトウキビ畑があり、時には風の流れで牛の臭いが漂ってくることも島の一部。
海に囲まれいつでもどこからでもキレイなブルーの海を見ることができ、沢山の自然に囲まれた緑の香り、晴れた新月の日には天の川が見られる満天の星空に魅了され沢山の感動を重ねていくうちに自身の考え方も変わっていったそうです。
人間必要最低限の物があれば生活していけるんだと悟り、不思議と物欲が無くなり、今では石垣島は第二の故郷に。

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これからは「地域に貢献できる会社にしていきたい」と話す加島さん。
「人と人が繋がり合っている小さな島だからこそ、人の輪を大切にしていきたい」と力強く話をしてくださいました。

目指す姿は
「島の人達が笑顔になってくれる喜びを与えられる会社であること」。

「そのためには会社の商品を知ってもらうこと、島内イベントへの参加はもちろんのこと、今の広大な敷地を有効活用することも前向きに検討し皆で力を合わせて実現していきたいです」。
加島さんは現在イベント隊長を担っており、島内のイベントに参加しています。

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(先日行われたイベントの様子。メンバー全員で参加されたそうです)

「イベントに出店することで会社の名前も広がり、自分たちの商品を食べてもらうことができ、直接お客様の声が聞ける絶好の機会。島の人達に知ってもらうことが今は何よりも大切なことだね」

「自然と共存する生活は天候に左右され、風の感じ方で雨降りを、鳥の巣の位置で大きい台風が来ることを察知する。今年の被害が来年の収穫に響いてくるなど自然との付き合いを知る由もなかったので、島ならではの様々なことを島人から教えてもらうことは財産」と、かしまさん。

単に旅行ではなく、家族と共に石垣島で生活する中で気づくこと。
都会暮らしに慣れてしまったが故に思うことがたくさんある中で、見つけた離島ならではの素晴らしさ。
改めて人間の原点はこのようなところにあるのかもしれないとお話を聞きながら、ふと感じた時間でした。