• 作家名: 上村 松篁

• 作品名: 燦雨

• 技法: シルクスクリーン

• サイズ: 45.2×90.5cm

◎ 上村松篁の芸術

上村松篁（うえむら しょうこう、1895年-1989年）は、現代花鳥画の最高峰と称される日本画家で、徹底した写実主義に基づいた格調高い作品を数多く残しました。彼は京都で生まれ、美人画で知られる上村松園の長男として、芸術に囲まれた環境で育ちました。松園が絵に没頭していたため、松篁は幼少期をほとんど一人で過ごし、金魚や鳥といった生き物を友として親しんでいました。この環境が、彼が後に花鳥画家としての道を歩むきっかけとなりました。

彼の教育は、大正10年に京都市立絵画専門学校（現在の京都市立芸術大学）への入学から始まります。学生時代からリアリズムの影響を受け、写実的な表現を追求しながら、自らが感じた美しさを描き出すスタイルを模索しました。大正13年に制作した「椿」で大きな手応えを感じ、その後もスケッチを重ねて本質に迫る作業を続けました。彼は自らのアトリエに鳥小屋を設け、約280種類、1200羽の鳥を飼育しながら日々スケッチを行い、鳥たちの生き生きとした姿を作品に反映させました。

上村松篁の作品は、花や鳥だけでなく、それらが持つ生命の躍動と美しさを捉えることに成功しています。彼の画業は、国内外で高く評価され、昭和59年には文化勲章を受章しました。彼の母、上村松園も文化勲章を受けており、親子二代でこの名誉ある賞を受賞したことは、日本画界における彼らの重要性を象徴しています。上村松篁の作品は、その写実的な美しさと共に、日本画の伝統を現代に伝える重要な役割を果たし続けています。

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