クラウドソーシングは本当に稼げないのか??

クラウドワークスが叩かれている。
私の人生を救ってくれたといっても過言ではない、愛して止まないクラウドワークスが中傷されていると思うと、ちょっと苦しい。

中傷している人が言ってることはよくわかる。理解もする。
稼げてる人が少なすぎる。手数料が高い。単価が低い。
それは利用する人それぞれに感じ方があるだろうなぁと思う。

そういう私も手数料に関してはちょっと思うところあって、
クラウドワークスさんにも色々と思いを伝えてきた。
出会うための20%の手数料はけして高くないが、
信頼関係をある程度築いた後の仕事でずっと20%の手数料はやはり高いと感じたりもしている。

でも、本当に稼げている人が少ないのか。

ここにいるよ。未経験からクラウドソーシングを利用してデザイナーになり、普通のサラリーマンと同じくらいは稼げる様になった人。はいはいはーい。私です。

私の場合、当初はクラウドソーシングでの仕事率は100%に近かったものの、実は利用率は徐々に下がっている。
クラウドソーシングで月20万以上なんてありません。
収入のうち、クラウドソーシングの利用率は月にもよるけれど、10%〜30%程度。
ここに「クラウドソーシングは本当に稼げないのか」という答えが隠されていると思う。
(あくまで私個人の経験であり、デザインという業種しかわからないので、他の業種で当てはまらなかったらごめんなさい)


クラウドソーシングのメリットはクライアント側・ワーカー側共に「出会い」にある。
「デザイナーさんを探している人」というのと「仕事を探しているデザイナー」がマッチングされる。これにつきる。

信頼関係のないどんな人かもわからない人と仕事をするわけだから、当然単価は安い。安いというのは非常に大きなメリットでもあるわけだから、利用するためにはとても大切なこと。出会うためには敷居は低い方が良い。

だけど、実はリピートする際にもずっと安いままか、というとそうでないケースも多々ある。

クライアントのほとんどは、デザイナーとの付き合いに慣れている訳ではない。だから相場感があるわけでもない。

ロゴコンペを2万円で出したクライアントは、クラウドソーシング上でそれが相場の最低価格くらいだなぁ、ということを知ったから2万円でコンペに出しているだけ。

運良く私のデザインが採用されたとして、さらに名刺も作ってほしい、となれば当然「いくらでやってくれますか?」という話になる。
法外な値段を付ければ当然契約は出来ないだろうけれど、常識の範囲内というか「それだけ価値がある」と思ってもらえる金額であれば、ほとんどの場合は契約につながる。
その仕事でまた納得感を持ってもらえれば、また次の仕事ももらえる。

自分の価値が高まれば高まるほど、主導権は自分に移ってくる。

もちろん1回安くやってしまったとしても、値段を上げられないわけではない。
請ける仕事が多くなってきて、仕事を選ばなければならなくなってくれば、当然断る仕事も出てくる。もし私にどうしてもやってほしい、というクライアントが増えてくれば、私の単価は上がって行くだろうし、それでも仕事してほしいと言う人は途切れないはず。
というかどんな仕事でもそうやって自分の価値を高めて行くしかない。

単価が安い、というけれど、それはあくまでも「仕事を探す」ページに掲載されているものに関して、というだけで、リピートに関しては自分自身で値段を設定していくことも大いに可能であると言うこと。
価値があれば、それ相応の費用を出してくださるクライアントも相当数いる。

クラウドソーシングで人並みに稼ぐためにはどうやってリピートを得るかが鍵なわけで。(というか仕事だったらどんなものでも同じだろうけど)

ここで問題になってくるのが「手数料」。
知り得なかったデザイナー(例えば)と知り得る、つまり「出会い」のために20%の手数料は決して高くない。ワーカーの私も仕事を得るための手数料として20%は全く高くないと感じる。
問題はリピート時の手数料だ。お互いにもう知り合い、ひとつの仕事を通してある程度の信頼関係も築いている状態。
リピートを得たのはお互いの対応によるものだ。
そうなると20%の手数料はとたんに高く感じる様になってくる

そしてリピートすればするほど、その手数料が負担になってくる。
そうなれば直接契約になるのは避けられない。

実際、私の知り合いのクラウドワーカーも、当初こそ100%クラウドソーシングを通していたものの、現在ではほぼ100%が直接契約になっているそう。
そういう私も収入のほとんどを直接契約で賄う様になってきた。

ここから見えてくることは、「手数料が高い」ということの他に、「実はクラウドソーシングで見えている仕事は氷山の一角である」ということ。
初回はクラウドソーシングでの仕事であっても、リピートの多くは直接契約になってしまっているはずだ。

クラウドソーシングを使わなくなっても仕事がとれるようになったからこれは良かった、めでたしめでたし。
とは思ってない。

なぜか、というとクラウドソーシングには、通常のフリーランスにはない魅力があるからだ。
それは例えば「実績数」と「星」という絶対的な評価。

この実績数と星の数というのは間違いなく私が積み上げた数字であり、それを自らがいじることはできない。
ここに非常に大きなメリットがある。
出会う度に自分の実力をポートフォリオで見せ、潭潭と語り、口説き、という作業が必要ない。

「この人はこんなに多くの数を、こんなに高評価でやっている」それだけで自分の価値が伝えられる。
これはこれまでのフリーランスにはなかったもの。絶対的な信頼感である。

だから、クラウドソーシングを通さない契約が多くなってきた今でも、クラウドソーシングをどう利用するか、については常に考えているし、活用できるように上手く経ち振る舞って行きたいと思っている。

数字だけで判断し「これはだめなサービスだ」と決めつけるのは簡単であり、本当のところを知ることは難しい。
クラウドソーシングのようなサービスを欲している人は、通常の雇用が難しい環境に置かれていて、さらにフリーランスで活躍できるようなスキルを持っていない人が圧倒的に多いであろう(私のように)。

ということは、決めつけてはだめなのだ。
そのサービスがどうであるかの情報収集なんか何の役にも立たない。
とにかく自分で使ってみて、利用して行く価値があるのか、どう利用していけばいいのか、それを自分の頭で考えるしかない。

皆がそうやって考え、利用していけば、成長しクラウドソーシングの道はさらに明るく照らされて、働き方そのものももっと柔軟になり、暮らしそのものも豊かになっていくと信じている。

今のところは、手数料の軽減、というか仕組みの変化。
例えばプロジェクトごとに手数料がかかる、というだけではなく、リピートに関しては仕組みを利用する手数料として月額で支払う、など柔軟な仕組みになってくれると嬉しいな、と思っているところ。


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