亡き母の思い出~母のハンドパワーの巻~
世の中、普通に考えてあり得ないことでも、実際に目の前で起こってしまうことってあるよね。奇跡とも思える出来事、あるよね。
例えば、おばあちゃんの手。
おばあちゃんが乾いた洗濯物をゆっくり撫でると、まるでアイロンをかけた後のようにピーンとなる。なるよね。私のおばあちゃんの場合はなった。
あのシワシワの手のどこにそのような奇跡が隠されていたのか。
自分でもやってみたが、おばあちゃんのそれとは全然違う。
不思議だが本当の話である。
さて、そのおばあちゃんは母の母。
母にもその魔力は受け継がれていたかのような思いで話。
私が子供の頃、よく脚が痛くなっていた。ピンポイントでどこかが痛くなるものではなく、なんとなく全体的にだる痛い感じ。(語彙力のなさよ)
病院では成長痛とか言われ、シップを貼っても全然効かない。
ジッと我慢するしかない日が続く。そんなことがよくあった。
ある日、どうしても我慢できなく、半べそをかいて母へ助けを求めた。
母は『早くよくなーれ』などと気休めを言いながら私の脚をさする。
なんということでしょう!
ぐんぐん痛みが引いていくじゃないか。
いつの間にか半べそが笑顔に、そして安心しきって眠たくなってくる。
これこそハンドパワーだ。
それからは痛くなると必ず母親にさすってもらった。
私の成長痛の特効薬である。
これって、たぶん私以外の人には効かないんだろうな。
いや、私の兄弟にも効くかもしれない。
そこからは、きっと目に見えないパワー『愛』が滲み出ていたんだろうと、親になった今思える。
もしかしたらおばあちゃんの手からも『愛』が滲み出てシワシワの服もピンとなったのかもしれない。
私は親である。3人もの子を持つ親である。
『愛』という魔法は使えているのだろうか。
大丈夫だ。
あの2人の魔女の血が流れているんだから。
トップの画像はギャラリーからお借りしたものです。
momoro66(ももろ)さん、ありがとうございます。
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