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人をジャッジすること

 しばらく婚活をしている時期があった。マッチングアプリもいくつかやったし、相談所にも行った。

 相談所では、お見合いの申し込みがあったら、その人のプロフィールを見て会うか会わないかを決める。ここで波長の合わない人とのお見合いをOKしてしまうと、1時間はその波長の合わない人と話さなければならない。その時の絶望感は半端ではない。休みの日に張り切って化粧をし、一張羅で出かけ、知らない人と話すのだから、それなりに疲れる。自分が消耗しないように、会う人を見極めることが大事だった。

 だんだん慣れてくると、写真の印象やプロフィールの文章を読んだだけで、この人は大体こんな感じかな、と予想がつくようになった。本当に色んな人が結婚生活を求めて活動していた。そしてお見合いをOKする基準のようなものができてきた。この人は合格やら不合格やら、偉そうにジャッジをするようになった。

 仕事でもそんな感じのことあるな、と思い出した。この人はOK、あの人はありえない。相手のことを慮ることなく自分の基準で切り捨てていく。事情は違うが、相手を見る目線が平行でないのは一緒だ。

 あんなになりたくないと思っていた、人の悪いところを見つけるのが上手なお局に、いつの間にか私もなっていたのだ。

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