まきこ

取るに足らない生活の中で考えたことを言葉にしてみようと思います🫧

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最近の記事

【感想】アルジャーノンに花束を

 自分と違うものを受け入れるのは勇気と時間がいる。この本を読んで、最初に思ったことだ。知的障害など、見た目で分かるような違いは分かりやすいが、もっと細かい、個人の感情レベルで、「違うもの」と思って排除してしまっているもの、障壁はたくさんあるのではないだろうか。  フェイとチャーリイが初めて会ったときに交わした会話の一部だ。私はこの言葉に背筋が凍った。まさにその通りだ。私も誰かを軽蔑しながら生きている、と思った。自分の考えと合わない人、行動の意味が理解できない人を、「自分とは

    • NEOかわいいis Forever

       私がCHAIを初めて見たのは、福岡の海の中道海浜公園で行われた、Circleという音楽フェスだ。N.E.O.という曲と、ゆるいトークに惹かれた。以降はあまり聴いていなかったが、WINKというアルバムを買ってから、また聴くようになった。Instagramもフォローして、いつかライブに行きたいと思っていたものの、何となく先延ばしになっていた。  そんなこんなで時は過ぎ、ついにCHAIが解散することになった。海外でのライブをかっこよく成功させていて、正直これからだと思っていた。

      • かわいいとは何か

         私は、「かわいい」という言葉を褒め言葉で使う。最近思ったのは、かわいいという言葉にはたくさんの意味が込められているということだ。例えば、赤ちゃんや動物に対してかわいいと思うのは「愛くるしい」とか、「癒される」という意味も込められているように思う。今の季節では、真新しいスーツを着た若い人を見かけると「さわやか」「眩しい」という意味も込めて、かわいいなと思う。そして、夫が頑張って料理をしている様子を見て、かわいいと思った。これには愛おしいというか、応援したいような、守ってあげた

        • パラレルワールドだったらいいのに

           私は昔から数学が本当に苦手だった。どこが面白いのか分からない。算数の九九の7の段がなかなか覚えられなくて、そこから授業についていけなくなったような気がする。元々あまり好きじゃないのに、内容も理解できなくて余計に苦手になった。  高校生のときに、就職先の選択肢が広がるからという今考えるとどうしようもない理由で理系に進んでしまった。これには大きな理由があって、就職氷河期に必死に頑張る姉の姿を見て怖くなったからだ。妹のフィルターを通しているということを加味しても、姉は優秀だ。そ

        【感想】アルジャーノンに花束を

          仕事を辞めたいのはなぜか考えてみた

           私が今の仕事を辞めたいと思っている理由は、ワークライフバランスが保たれないと思ったからだ。そして、自分の中で折り合いがつかなくなったから。  就職してからずっと、私はワークワークオンリーだった。新卒1年目のときは、受験生の頃とは比べものにならないほど勉強した。1人暮らしのリビングに、自分が座るクッションの周りにずらっと本を並べて、あれ?と思ったときにすぐ開けるようにしていた。ご飯を食べるときも開きっぱなし。何ならご飯を食べる時間も惜しいくらい。自炊なんてほとんどしていなか

          仕事を辞めたいのはなぜか考えてみた

          パートナーとの運動

           私たち夫婦は、睡眠を大切にしたいという価値観が一致していたので、ダブルベッドでもなくクイーンベッドでもなく、シングルベッドを2つ並べて、各々好きなマットレスと掛け布団で眠るということにしている。    一応新婚夫婦なので、今のところ一緒のタイミングでベッドに入るようにしている。最近のマイブームは、夫よりほんの少しだけ早くベッドへ到着し、2つ並んだベッドの端から端までを、身体を一直線に伸ばしてゴロゴロ回ること。これが結構ストレッチになるし、普段使わない筋肉を使っている気がする

          パートナーとの運動

          自炊をする理由

           私は数年前からよく自炊をするようになった。最初はオートミールにハマり、いろんなレシピを探しているうちに、普通のご飯(?)も作るようになった。そして自炊を継続するきっかけになったのは、蒸篭の購入と八百屋の存在だ。  蒸篭はしばらく前から同僚に勧められていたのだが、絶対に手入れできないと思って手が遠のいていた。しかし『ちょっと意識が高い系の生活への憧れ』という不純な動機から、電車で30分かけておしゃれな調理雑貨のお店に赴き、ついに蒸篭を買った。蒸篭は本当にいい香りがして癒され

          自炊をする理由

          何のために働くのか

           勤労の義務、納税の義務。私たちは国民の義務として働いていることは間違いない。ただ、私たちはそれ以上に、自分は何のために働くのかという個人的な目的を考える。やりがい、生活のため、家族を守るため。それぞれが色んなことを考えて働いている。そして自分のやりたいことと得意なこと、その仕事をするために必要なお金、学力など、様々なところで擦り合わせをし、バランスを取らなければならない。そこを割り切っていくのは難しい。  バンド好きの母は、私が幼い頃から『好きなことを仕事にするのは難しい

          何のために働くのか

          人生の選択

           結婚することになった。家族に報告して、新居を決めて、両家顔合わせの予定を立てて、それはもう慌ただしかった。  両家顔合わせが終わった後、夫とカフェでゆっくりコーヒーを飲みながら、今後の生活について話した。私は「今の仕事を辞めて、別の業種に転職したい」と言った。初めて口にした言葉だったので、言ってしまった後自分でもびっくりした。美味しいコーヒーと、顔合わせが無事終わったことへの安心感からだったのだろうか。ただ、今までずっと考えていたように出た言葉だった。         

          人生の選択

          誰かがいること

           私はあまり器用ではない。何をするにも時間がかかる。効率やスピードといった言葉とは程遠い性格をしている。さらに完璧主義という、非常にややこしい人間だ。  普段、あらかじめ(知らず知らずのうちに)設定した理想に追いつけない自分を嘆いたり、悲しんだりすることが多い。もっとこうするべきだった、こうでありたいのに、と思い悩むことがよくある。お風呂で湯船に浸かる時間は、私の1日の反省会のためにある。そしてこれらの悶々とした思いを周りに聞かせるのは憚られる。私は仕事で必要なとき以外、自

          誰かがいること

          なぜ悪口は盛り上がるのか

           私の職場によく飛び交っている、悪口。よくもまぁそんなに文句が思いつくなと感心するが、悪口は盛り上がるのは事実だ。  悪口とは、他人のことを悪くいう言葉のことだが、私は「その場にいない」人のことを「関係ない人が」悪くいうこと、というニュアンスが合っている気がする。当事者でない、もしくはよく知りもしない人が、外野からあれこれ言っているような感じだ。  悪口を言っているとき、人は自分が正しいと思い込んでいる節がある。相手よりも、自分の方が優位に立っている感覚になるのだと思う。

          なぜ悪口は盛り上がるのか

          居酒屋のノリ

           私は常々、なるべく自分で出来そうなことは自分でやらなければいけないと思っている。そして何より、人に頼みごとをするのに罪悪感がある。本当だったら出来るはず(出来なければいけなかったはず)のことが、私の力不足によって相手に頼むことになり、申し訳ない気持ちになる。妙に責任感が強いのと、完璧主義である弊害だ。  この習性は、しばしば私を苦しめる。私は心の余裕がなくなると、自分の殻に閉じこもってしまう。放っておいてほしくなってしまう。このモードに入ると誰かに頼みごとをするなんてこと

          居酒屋のノリ

          分からないことが出発点

           テレビで、ある俳優が「分からないことが出発点です」と話しているのを観た。確か、演じる上で大切にしていることを話していたときの言葉だったと思う。  私はこれを聞いて、今まで医療職として関わってきたたくさんの患者さんのことが浮かんだ。  幼い頃、学校の授業で「相手の気持ちを理解しよう」と先生に習ったことがある。私は恥ずかしながら医療職になって初めて、この言葉に違和感を持つようになった。  病院に来る経緯は様々あるが、入院中はたくさんの制約の中、病気と闘わなければならない。

          分からないことが出発点

          みんなと話したい

           小学生の頃から、友達の輪にうまく入れないことに悩んできた。コミュニケーション能力が高い人になりたいと願い続けて、早20年。一向に叶う気配はない。  大人になってから誰かと仲良くなることがほとんどなくなってしまった。たまに仲のいい同僚とご飯に行ったとき、知らなかった後輩の趣味などを聞いたりして驚く。            *  私の周りにいる人たちが何が好きで、何が嫌いなのか、興味はあるものの話を広げられる自信がなく、踏み込めない。「そうなんだ〜」とか、「いいね、それ」

          みんなと話したい

          「持ってるね」

           私はアンラッキーを引き寄せるのが上手い。1つ運が悪かった、という出来事が起こると、芋づる式に運の悪さを発揮する。  例えば、突然雨が降り出して、家に帰り着いたら止むことはいつものこと。行きたかったお店が閉業していたり、たまたま定休日だったり。大型ショッピングエリアの、半年に1度の全店舗休業日を引いたこともある。そして恐ろしいことに、これらは1日の中で立て続けに起こったりする。            *  これを笑えるようになるのは難しい。私が引いたアンラッキーは、他の

          「持ってるね」

          憧れの人

           小学生の頃からPerfumeが好きだった。田舎に住んでいたので、Perfumeを見られるのはMステくらいだったけれど、曲もダンスも衣装も、何より3人が大好きだった。  私の母は好き嫌いをはっきり言うタイプで、特に小さい頃は私の好きなものを「お母さんは嫌い」と言われることもあり、私は罪悪感を覚えることもあった(今ではそんなこと思う必要なかったと分かる)。Perfumeも例外ではなく、母は「口パクだから嫌い、見る気にならない」と言った。  それから、家でPerfumeが好き

          憧れの人