見出し画像

物語詩「クマさんみぞれ鍋」

    こんばんは。ローランです。
    今日も物語詩「君と僕」シリーズの続きです。ちょっと続いているので違うものにしようかなぁととも思ったのですが、しばらくハッピーな恋物語もいいかなと思い、続きにしました。

    では、今日もお楽しみ頂ければ幸いです。


華やかに

「クマさんみぞれ鍋」

LINEが鳴る
画面を確認する
君だ
君が移動公演から帰ってきた
僕はいつものワゴンを押して
ウキウキしながら君の部屋に行く
今日はみぞれ鍋だ
君は疲れていると食欲が落ちるから
野菜をたくさん食べられるよう鍋にした
大根は二分の一本すりおろした
おかげで少し腕が痛いが
この大根おろしでクマさんを鍋の中に作るんだ
君は喜んでくれるかな
君の部屋の前に到着
ガチャっとドアが開く
互いの顔を見つめる
君と僕は満面の笑み
「ただいま」
「おかえり」
中に入っていつものように食事の用意をしようとするが
君は僕の背中にくっついて離れない
「顔を見たら力が抜けた~」
「しょうがないなぁ」
僕は君に向き直ると
「お疲れさま」
と言いながら君の頭を撫でる
すると君は僕を見上げて
「やったー」と笑う
一体何が「やったー」なのか
僕にはさっぱりわからないが
君がご機嫌だからいいのだ
しばらくそうした後
「クマさんみぞれ鍋」を君に披露した
野菜と豚肉をたっぷり入れ、大根おろしで口当たりもサッパリと食べてもらえる鍋だ
君は鍋を見た瞬間
「クマさんだ!」
と叫んで、嬉しそうに笑った
君はとても喜んで、野菜も肉もいっぱい食べてくれた
久しぶりに顔を見ながら
君と僕
たくさんたくさん話した夜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?