見出し画像

ブラック、グレー、いつかはブルー 8

〜社畜は鬱になって、生き直すことに決めました〜

さてここまで、私の経験を書き綴ってきたのだが、ここらで少し、はたらきかたについて触れよう。

10年ひとむかし、と言うが、本当に10年でずいぶんとはたらきかたは変わったと思う。
私はYouTubeを見るのが好きだが、YouTuberという
仕事が確立したのも、ここ10年ほどだろう。
昔はいわゆる「ちゃんとした」仕事だけが認められていたが、今は新しい職種がたくさんある。

今現在、はたらきはじめた、またははたらいて1.2年の人たちにとっては、会社は心中する場所ではなくなっている。そして、合わなければ辞める、という選択をほぼストレスなくやってのけられる世代でもあると思う。
もちろん、全ての人がそうであるとは言わない。
が、私のような経験を積む人は稀であると思われる。

不特定多数の方の目に触れるnoteだからこそ、伝えたいことがある。それは、どんな劣悪な環境でも、長く滞在すればするほど「慣れ」てしまうということだ。悪臭がする部屋だって、15分もいれば慣れて感じなくなる、というのと同じ。

前回の病気発症の10年後、今から2年前のことだ。私は会社を辞めている。
(辞めるまでの10年については次回詳しく)

ブラック企業を辞めたのだから、次の仕事を探したり、もしくは少しの間、
自分を甘やかして休憩を取ってから、次のステップを踏めばいい。
その予定だったのだ。

しかし辞めた私に待っていたのは、「はたらいていない罪悪感」と、「非生産的な自分への失望」からくる、とてつもない無力感だった。

ブラック企業でつけられた傷は、簡単には治らない。
化膿して、膿が出続ける。
自分の意思で辞めたはずなのに、ひたすら自分の判断を責め、どんなに辛くても辞めるべきじゃなかったんじゃないかと思う毎日。
この時間、いつもならもう会社に着いている。
○曜日だから、いつもならあの仕事をしている。
引き継いでくれた後輩は、私と同じように辛い思いをしながらはたらいているのではないか。

私は、人に辛い仕事をおしつけ逃げ出した最低の人間なんじゃなかろうか。
そんな考えが、寝ても覚めてもついて回る。

辛い環境にいる人間は、壊れることを恐れ早々に逃げ出すか、その場所に染まり、どうにか生き残る術を模索する。
私はばりばり後者だった。

私は、自分が「ブラック」ならぬ、「グレー」に染まっていることに気づいた。

仕事を辞めて一週間、私は鬱になった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?