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目標達成の落とし穴にハマらない為には

何かの目標を立て、それに向かって進むことは素晴らしい事だと思う。

同時に、それを達成した時
それが大きければ大きなものだった程
有り余る充実感の後に、
どこか、スポンと何かが抜けたかのような感覚に陥ることがある。

それが、目標達成の落とし穴
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私は今、主催していたリトリートを終えて
丁度一週間と少しが経ったところで、
まさにその落とし穴にハマりかけた自分に気づき、
そんな自分を俯瞰して笑ってしまった。

今回の企画は、去年のものと同様、いやそれ以上に大きなイベントで、
様々な余韻を残しながら幕を閉じた。

リトリートのプログラム的にはセロトニン、オキシトシン、エンドルフィンが大幅に放出されて幸せ感満載、

終了後は精神的にも得たものが大きかった分
それを昇華するプロセスも昇華した後も含めて
報酬系のドーパミンが一気に溢れ出た。


リトリート主催、完了!

などという、目的を達成した感覚の報酬系ホルモンは、
その性質を知っておかないとある意味厄介なものにもなり得るホルモンで、

その波が過ぎ去るとまたそれを求めてしまう危険性がある。


何かを達成しても達成しても、
そして何かを手に入れれば入れる程に
『もっともっと』という欲と手を組んで次なる大きな目標をたて、
それに向かうという繰り返しが起こっていく連鎖。

ここが、『向上心』と『脳内ホルモンの虜』の分かれ道。


冒頭にも書いたように、目標自体はとても素晴らしいことで、
それを達成していくゲームは本当に楽しいもの。

しかしその余韻が過ぎゆひとつのくゲームリセット過程において、
知らないうちに報酬系脳内物質の虜になっていないか、
自分を観察しておくのは決して無駄な事ではないと思う。

もしも少しでもその罠にはまっている自分を感じたら、
次の事をしてみて欲しい。


1.目標を立てる時、大きな目標だけではなく
日常の”たわいもない”小さな目標も一緒にたてる。

⇒それは、大きな目標のためのベイビーステップ的なものとは別に、
《朝日の光を浴びる》とか《植物にお水を上げる時に優しく話しかける》とか、《角のお店まで鼻歌を歌いながら100歩歩く》とか、そういった小さなもの。

2.日常の、ひとつひとつの行為を慈しむように意識を向けて行ってみる。

3.大切な人に、優しい声をかける。

これらはどれもシンプルながら、
《報酬系》ではない脳内しあわせホルモンの分泌を促してくれる。

この幸せ感がデフォルトになっている状態であれば、
また次の目標を立てたとしても
それが終わりのない連鎖になることはなく、

目の前にぶら下げられた人参を追いかけ続ける馬ではなくて、
足元にたっぷりと生えている艶やかな草を
美味しそうに堪能する馬になれるのだ。

そして時に、追いかけた人参をぽりぽりかじれる楽しみが
『健全な向上心』なのではないだろうか。


最後に、私がアメリカでヒプノセラピーの学校に通っている時、
一緒にワークをしていたクラスメイトの話をしてこの投稿を終わりにしようと思う。

彼は、夜中に冷蔵庫を開けてチョコレートをあさってしまう癖があった。

それを解消するためにヒプノセラピーをすると、
その行為は、母親から欲しかった愛情をチョコレートの甘さで埋めている事がわかり、それに加えて、
達成しても達成しても超えられない目標の連続、次々と追いかける終わりなきゴールへのストレス・・・・

まさに上述の罠にはまっている事が分かった。

そしてそれは、セラピューティックな働きかけと、
《報酬系ではない脳内ホルモンの分泌》を心がける習慣をつける事で
解消された。

彼は、日常を生きているそのままの自分を愛せるようになり、
日常そのものを愛し、満たされ、
その上で仕事のパフォーマンスが上がったために
自然な形で目標が達成される結果となった。

夜中にチョコレートをあさることもなくなり、
どっしりとした、安心感のある男性に変容することができた。


人間は、弱いところがある生き物。
脳内の働きは、
そんな事は気にせずに、ただ脳内の仕事をこなしているだけにすぎない。

目標や向上心は、健全な付き合い方をすれば
落とし穴に落ちることなく
艶やかな草の間の香り高き人参として、
穏やかに満喫できる素晴らしいものになる。

そんな事を自分自身にも言い聞かせながら、
今日はこれからまたゆっくりとチャイティーを淹れ、
今この瞬間の連続を満喫したいと思う。

あなたは今、かけがえのないこの瞬間を
慈しんでいますか?



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