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親子がすれ違う時とそれを修復するもの

ママ友から、ここ数ヶ月子供の態度にしびれを切らしている
という話しをもちかけられました。

彼女にはまだ小さな4人の子供がいて、
その中の一人の態度に手を焼いているという事。

時間が来ても遊びをやめられない、
癇癪を起こす、泣き叫ぶ。
それが毎日で、自分も怒鳴りつけて叱ってしまうと。

彼女は本当に素晴らしいママで、
愛情深くていつもとても
きめ細かいお世話をしているのを
私は知っている。

お料理もお菓子作りもとても上手で、私自身、何度も彼女にレシピをきいたりもしているほど
すごいなーと思っている。

こんなに頑張っているのに、
6歳の小さな女の子は、
分かってくれない。

彼女の気持ちがすごく深く伝わってきて、ずっと話を聞いていた後に
ぎゅっとハグをしてから、
色々な、考えられるアイディアを面白おかしく出してみて笑わせながら一緒に得策を考えた。

でも実は、
私の中ではもうひとつの考えがあった。

彼女の辛さが痛いほど理解出来ると同時に、
子供側の気持ちも痛いほど感じられるから。

今、私に出来ること。
もちろん彼女の話をとことん聞かせてもらうこと。
そして、セラピストという職業上、
プロフェッショナルなアドバイスをさせてもらうことも出来たりもする。

でもね、私はひとつのことをどうしてもしてみたかった。

ランチタイムに学校へ出向き、
偶然を装ってその子のクラスのグループに出くわすようにした。

私を見つけると、
いつものようにハロー!!と言って頭を撫でてもらいに来る。(会うといつも私がそうするので)

そこで私は、彼女の目線にしゃがみこんで、こういった。

「今日ね、あなたのママに会ったよー。」

ママという言葉を聞くと、
彼女の顔が一瞬曇ったのを見逃さなかった私は、彼女の中にも葛藤が起きていることを察知した。

「あなたのママね、私になんて言ったと思う?」

彼女の顔が、不安そうになる。

「あなたのママがね、まるで秘密をうちあけてくれるようにね、でもとても幸せそうに、私に教えてくれたの。あなたの事が、大好きで大好きでたまらないって。」

その瞬間、彼女の顔が喜びでいっぱいの、幸せいっぱいの笑顔に変わった。

「私は言ったのよ、あなたのママに。
わ〜!あなたはなんてラッキーなの!そんなに素晴らしい娘さんがいて!って。」

すると彼女の顔はますます明るくなって、
笑みいっぱいの顔で、

「私も私のママが大好きなの!!」
と教えてくれた。

「わー、なんて素敵!帰ったらママに、耳がちぎれるくらい大きな声で伝えてあげなきゃね!」

私はそう言ってその場を立ち去り、
歩きながら彼女の曇った表情が笑顔いっぱいになった瞬間を何度も思い出して、涙が溢れてきた。

とてもシンプルなことなのに、
そしてそれを毎日伝えているのに、
日常の大変さでお互いがすれ違っていたのだろう。

子供なりに、思うことが沢山あるのだろう。
彼女のことをとても愛おしく感じた。

そして、彼女の母として、いっぱいっぱいになりながら頑張っている友人をとても愛おしく思った。

友人として、出過ぎたことをしないように、でも私になにか出来ないかな、と考えてこんなことしか出来なかった。

でも何故か、私はそれからしばらく、泣いていた。

人の心は、とても美しい。

それでも、そこに純粋な思いがあればあるほど、本当はシンプルなことが、複雑になって見えることが多くある。

私は神様にお願いをした。

どうか私というこの肉体を、
これからも使ってください。と。

私のこの肉体、存在を使ってください。
誰かのために。
誰かの純粋な笑顔のために。

小さな事でいい。
小さな小さな光を、
誰かの心に灯せるような機会を与えてください。

そして、私がそれらの機会をきちんとキャッチしていけるように、お導き下さい。

小さな日常の笑顔が、喜びが、
どれほど大きな力を持っているか。

周りの人達が、
そして私自身が身をもって
これからも体験してゆけるように。。。

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