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お店の一員として

『将来は小さなお店を』のつづきです。

最初は、将来はお店を・・・のつもりでもいいと思うのです。でも、お店で働くスタッフとして続けていく、その職場での大事な一人になる。というのも十分存在意義がある仕事です。自分がこういうお店で働きたいな、というお店で力を発揮して他の仲間と一緒に働き続けること、その上で向上心をもって学び続けていくこと、そして自分の生活をきちんと大切に整えていくこともすごく満足感がある。

romi-unieは女性スタッフが99%で(男性も、実はいます)、20代~30代が中心でライフイベント目白押しの、仕事と生活の価値観の間で揺れ動くお年頃が中心です。実際悩み多き年頃で、いろんな事情で辞めたりする人と話をして、romi-unieの会社のルールも少しずつ整えて、今に至っています。
私自身が生きてきた時代を振り返れば、女子高・女子短大育ちで、男女雇用機会均等法の3年後のバブル期最後の就活時代だったり(私はお菓子屋さんに早々に就職を決めていて、ほとんど就活していませんが)、新卒の女子は、入社後お茶くみコピー取りで腰かけOLというのがウソみたいな本当にあった時代。正直、学生時代そこにはまったくハマらず浮きまくっていました。時代はそこから数年後はケイコとマナブで女性も手に職、で、料理学校で働いていた時は、「好きなことを仕事にしたい」と意識高いOLの方が覚醒しはじめ、仕事後アフターファイブの夜7時から10時までのクラスにはたくさんの方が通っていました。そこからは長引く就職氷河期があったり、女性のキャリアに注目が集まったり、育休制度が整ったり保育園が無償化されたり、働き方改革があったり、私が社会に出て30年で、いろんな価値観の変遷があったなぁと思います。特に育休制度が整ってくるのがromi-unieの歴史ともだいぶ重なっていて、自分自身も子育ての経験の中で、制度を利用して実体験を持ってきちんと理解できたのは、romi-unieのスタッフにとっても良かったと思っています。

子育てとキャリアの両立は、ここ10年ほど世の中で議論が重ねられていることでもあり、価値観が変わっていく中で世代間ギャップも抱えながら、女性にとっては切実なテーマでもあると思います。

子育てしながら仕事をすることの厳しさはありますが、やはり人生2倍送るような激しい時期も数年あります。女性が仕事と家庭・小さい子の子育て時期を両立するのは、当然覚悟が必要で、大変です。でも、仕事の時間(社会とつながる自分の時間)⇔子育ての時間(子供とつながる生活)みたいなメリハリがある日々というのも悪くないと思います。私も39歳の時に出産して遅い子育てスタートで、出産数か月後に震災があり、ビジネス的にも経営者としてはなかなかのピンチ期で、両親、とくに母親が子育てに関しては大きなサポートをしてくれたので精神的な山場も乗り越えられた気がしています。(みんながこんな恵まれた状況ではないことは理解してます)

とはいえ、やはり職場である以上、会社は仕事をする場です。育児や妊娠中の体調などに理解を示すことはできても、仕事をする、キャリアを積んでいく場だということで成果を出していくことは必要です。優遇をするということは社会制度をフルに活用することぐらいで、他のスタッフとも公平性をもって評価するという厳しい視点も持つことを大切にしています。
いろいろと考えてみると、自分一人で回せる小さなお店の規模だと、出産や育児は、本当に大変だろうなと思います。残念ながら育休手当は、経営者には出ない手当です。でも会社員という立場であれば、まるっと一年以上お休みできて、産休、育休手当をもらいながら、自分の体調を整えながら、子供がいる生活を整え、育児に時間を100%使える1年間ほどというのは、本当にありがたい社会制度です。これだけでも、社会保険払った意味があるってしみじみ感じます。会社員だけじゃなくて、みんながもらえるようになるといいけどね。

20代前半でキャリアを積み始めて、パティシエとして成功したい!と目指していくときに、私はお店を出すことが8割の人の目標じゃなくて、「お菓子に関わる仕事で長く働き続けられること」こそが、一つの選択肢として、目標にしてもいいなと思います。別にお店を出さなくても、お菓子に関わる仕事を続けながら、子育てして、自分も成長しながら、ずっとお菓子が好きでいられるように、好きな環境に幸せを感じながらおばちゃんになっていくというのは、なかなかいい人生じゃないかと思うのです。

女性も働きやすい会社です!というアピールも、最近は逆にジェンダー論的にどうなんだろという感じの世の中ですが、だって私が生きてきたこの30年の世の中でそうだったんだもの。という実感を込めています。「女の人のほうが全然優秀」実はこの20年ほど、パティシエ業界でよく耳にする呟きです。そして、小学生の将来の夢でずっとトップになっているパティシエという仕事。専門学校を卒業して、就職して、思ってたのと違った・・・とやめてしまうのはあまりにももったいないじゃないですか。作る人だけじゃなくても、お菓子に関わる仕事はたくさんあります!

romi-unieで働いてくれているスタッフにとっても、お菓子が大好きな気持ちをキープしながら、そしてお店が大好きな気持ちが失われないように、これから先の何十年かも、romi-unieで働いていてみんながいきいきと幸せな人生が送れるように、と代表としてはいつも考えています。

というわけで、romi-unieではスタッフを募集しています!(そんなオチ!)

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