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準同型の核〈龍孫江の環論道具箱〉

環を比較する道具として準同型写像を導入し,2つの環が「同じ=環論的に区別できない」ことの基準として同型写像の概念を定義しました.ある準同型写像が全単射のとき(またそのときに限り)同型になるわけですが,全射性と単射性を測る尺度があれば便利です.

定義(準同型の核)

環準同型$${f \colon A \to B}$$に対して

$${\ker f := f^{-1}(0) = \{ x \in A \mid f(x) = 0 \}}$$

を$${f}$$の(kernel)という.

 核はまさしく「準同型が単射からどのくらい離れているか」を示す尺度となっています.

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913字

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