群論道具箱ダイジェスト(01~10回)

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第1回 群の定義

群を定義しました.群とは「さまざまな変換の集まり」がもつ性質を抽出して一般化したもので,それゆえに数学のいろいろなところに顔を出します.

第2回 回転と平行移動

平面の変換がなす群の例として「平行移動」「回転」「鏡映」の3種類を紹介しました.これらを全部集めると,図形の合同を裏から支える群ができます.このように群はある「シルエット(特徴)」を保つ変換の集まりとみることができ,群のふるまいがその「シルエット」の性質を浮かび上がらせます.

第3回 複素数の四則演算

慣れ親しんだ演算の例として,複素数の四則演算が群の公理をみたすかどうか考えます.加法と乗法は相性が良さそうですが,減法と除法はどうでしょうか.

第4回 自然数の加法

自然数は加法について群ではありませんが,逆元の存在以外は成立しています.そこで,この加法を尊重して
・逆元を持つ要素だけ集める
・逆元を付け加えて拡大する
の2通りの方法で群を作ります.

第5回 複素数の除法

複素数は乗法について群ではありませんが,前回と同様に逆元の存在以外は成立しています.この乗法を尊重して群を作りたいのですが,この場合に群が作れるのは
・逆元をもつ要素だけ集める
のみで,前回はうまくいった
・逆元を付け加えて拡大する
がこの場合は成立しないことを説明します.

第6回 単位元・逆元の一意性

群において単位元,および各要素の逆元が存在することは知られていますが,実は一意的(ただ1つだけ存在する)であることが分かります.

第7回 アーベル群と加法群

任意の2要素が可換 $${ab = ba}$$である群をアーベル群といいます.

第8回 置換と対称群

群の例として,ある集合$${X}$$から$${X}$$自身への全単射の全体があります.集合$${X}$$の変換全体の群で,これを$${X}$$の対称群といいます.

第9回 簡約律と可除律

簡約律(商の一意性)と可除律(商の存在)を紹介します.これらはいずれも「指定された要素を乗じる」という写像の性質として記述されます.

第10回 可除律があれば…

可除律(と結合則)をみたす演算を備えた集合が群になることを証明します.

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