鏡映左右反転の謎(キーポイント3)

「文字は、どうして上下でなく左右が反転しているのだろう」
丸いテーブルの上に丸い鏡が置いてある(特定の方向がない設定)。
文字を鏡に映した。どの文字も左右に反転しているように見える。
いわゆる鏡文字だ。

問い:どうして、上下でなく左右反転になるのですか?

答え:上方向を合わせて見ているからでしょう。

文字とか見慣れたものを鏡で見ると、つい見慣れた向きから見てしまう。そうして、左右が逆になったと思ってしまう。そこに謎はない。
ばかばかしい。
と思った方もおられるだろう。
もちろん、ポイント1で見たような環境要因があれば、それを手掛かりにして向きを決める。鏡に映すときに、実像の文字と鏡像の両方が見れるように配置した場合、実像と鏡像で上向きをそろえて見る場合は左右反転だし、左向きをそろえて見る場合は上下反転だ。今回は、手掛りがなかった時に、人がやりがちな傾向としての答えだ。

ここでうっかりしやすいのは、鏡に映った文字は、上下反転とも左右反転とも斜め反転とも見れるということだ。
ときどき見るのは、それを忘れて、無意識に文字を見て、「左右が逆になってる」と思い込むケースだ。見方次第ということなのだ。

補足
ここでは、「上下左右」は、文字そのものにつけられた方向です。
キーポイント1,2(のアナログ時計)では、「上下左右」は、空間につけられた方向でした。
鏡にものを映して考える時、このものに固定された向き(座標)で考えることが便利かもしれません。
ちなみに、アナログ時計でも、アナログ時計に固定した上下左右を考えて見ることもできます。

発展:
ここで見たのは文字だった。
鏡に映った文字を、どうしても上向きに見て「左右が反転している」と認識した人がいる一方で、左右逆ではなく、上下や斜めにも逆になっていると見れた方も少なくないかもしれないということを書いた。

ここで、キーポイント1、2で見たアナログ時計を思い出してほしい。
鏡に映ったアナログ時計を見た時、はたしてどれくらいの人が、左右逆ではなく、上下や斜めにも逆になっていると見れただろうか?
一連の記事が、左右反転現象の状況や条件について、どれくらい自覚的だろうかということを考えるきっかけとなればと思う。