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AIアイドルの今後。本物の女性との競争ではなく、1人1人の思い描くアイドルが作られる未来

 2023年に入って「チャットGPT」が一気にブームとなり、それに付随する形でAIアイドルも誕生して大きな話題となった。

中でも集英社が「さつきあい」を発表したことは注目を集めたが、権利上の課題やネット世論の反発もあってデジタル写真集は販売中止となり、さつきあいのTwitterアカウントも閉鎖になった。

個人的にはAIアイドルが活躍する空間があっても良いと思っていたので活動休止は非常に残念だが、大手出版社が先陣を切ったこと、そして某アイドルに似ていたことが批判を浴びた要因なのかもしれない。

 AIアイドルについては人間のアイドルとのパイの奪い合いがテーマになることが多いが、私はあまり対立しないのではとみている。

最大の要因は当然ながら「人間味が無い」ということである。これは見た目というよりも生い立ちやストーリーの要素が大きい。見た目だけ魅力的で中身がない、甘味だけで渋みや苦みが無いようなものだろう。

私たちアイドルヲタクにとって「ほっとけない子だ」という心情は見た目以上に大きく、第三者からすると「なんでこんな子を・・」というようなアイドルを推すことも珍しくない。

反面、AIアイドルは心配が要らない。なぜなら彼女たちに意思はなく、アクションを起こしたとしても、それは作者の操作にすぎない。つまり、箱入り娘ならぬ「モニター入り娘」で、主体的に不祥事を起こすこともない。

 Twitter上には数多くのAIアイドルが掲載されているが、ほとんど全てが性の消費に使われるような見た目になっており、いわゆるエロゲーやエロアニメの延長線上の存在にとどまっている。

だが、私は今後のAIアイドルは性の消費物という過渡期を過ぎると、マイルドな存在となり、最終的にはスマホやパソコンで簡単に作れる「自分だけのアイドル」になるのでは、と考えている。

それこそ、第三者の評価を気にすることなく、自分の趣味を濃縮したアイドル(男性女性問わず)を作って日常の癒しにしたり、初恋の人そっくりのキャラクターを作ってノスタルジーに浸ることもできるだろう。

そう遠くない日に誰もがクリエイターとなり、自分が作ったコンテンツを自ら消費することになるかもしれない。それが良い社会かどうかは分からないが、脳内の妄想や理想を具現化できることは楽しみでもある。

しかしながら、画面の外にいる自分は日々、衰えていくという現実を踏まえると虚しさだけが募る。これはAIにも年取らせれば済む話だが、そこまでのめり込むと後戻りができない気がするので、いずれは規制されることになるのだろう。

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