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「僕が見たかった青空」がデビュー!苦戦の理由は時代の流れへの逆行とゴリ推しに対する不満と嫉妬

 2023年8月30日に「青空について考える」でCDデビューを果たした"僕が見たかった青空"(以下:僕青)。お披露目直後から歌番組やCMに出演するなど結果が期待されたが、その数字は極めて厳しいものだった。
本稿では、その理由や今後について展望をしていく。


僕青のデビューシングル売上が3万枚弱と大爆死

 乃木坂の公式ライバルとしてオーディションが行われ、応募総数3万5678人の中から23人が選ばれてグループが結成された。レーベルのavex traxも大きな期待を寄せ、異次元とも言われるプロモーション活動が行われた。

大々的なプロモーション活動をしたこともあって他のグループのファンからは警戒する声が聞かれたが、ふたを開けてみれば初週売り上げはオリコンベースで「24,230枚」、ビルボードでは「28,204枚」とまさに桁違いの爆死という惨憺たる結果となった。

ざっくり3万枚とみても1人あたり「1300枚」とお寒い限りで、乃木坂どころかNGT48にすら及ばない結果となった。ネット掲示板では(爆死)などと厳しい評価もあるが、この表現は極めて正しいと言えるだろう。

苦戦の理由① 時代の流れへの逆行

 僕青がスタートダッシュに失敗した理由の一つとして、時代の流れへの逆行が考えられる。少し前まではAKBや坂道など多人数グループがトレンドだったが、最近では5~8人の少人数グループが多く誕生している。

中でも「FRUITS ZIPPER(フルーツジッパー)」や「わーすた」、2023年6月29日に解散した「BiSH(ビッシュ)」などはセールスだけでなくSNSでも立派な数字を残している。

また、もう少し多いところでは代々木アニメーション系の「=LOVE・≠ME・≒JOY」の3グループも堅調で、従来の男性ファンだけでなく女性ファンを獲得するなど新たな層を開拓している。

さらに付け加えると、DH(AKB48の事務所)ですら新グループ「UNLAME(アンレイム)」の人数を7人に絞っている現状を見れば、僕青の23人体制は時代に逆行しており、パッと見ただけでも古臭さを感じさせる。

 もちろん、何でもかんでも少人数にすればいいものではないが、大人数と言うだけでゲンナリしたり、メンバーを覚えようという意欲を持てない層が居るのも事実なので、その点からも僕青はマイナスからのスタートと言えるかもしれない。

苦戦の理由② ゴリ推しはヲタに嫌われる

 僕青がスタートダッシュに失敗したもう一つの理由としては「過剰なゴリ推し」が考えられる。

 CDデビュー前でありながら「2023 FNS歌謡祭 夏」への出演や、CMも獲得している。10月からは「僕青企画」(フジテレビ)が始まり、ニッポン放送と文化放送でも冠番組が始まるという異例の猛プッシュだ。

中でもニッポン放送の枠は日向坂から奪う形になってしまい、デビュー直後から"似ている"と言われていただけに不穏な空気が漂っている。また、歌番組へなかなか出演できないグループのファンからも嫉妬を買う展開となってしまい、期せずしてヘイトを集めるという気の毒な状態になっている。

また、ゴリ推しの弊害はヘイトだけにとどまらず、アイドルヲタに多く見られる「支えたい」という欲求をも減退させる。ハッキリいえば、応援し甲斐が無いという致命的なマイナスポイントになってしまう。

アイドルファンに限らず多くの人は不遇や苦労を重ねた人に想いを寄せる傾向が有るので、最初から大きな歌番組やCM、メディア仕事をしている僕青に対して、特別な感情を持つことが少なかったとしても仕方がない。

アイドルに関心が無い人からすれば奇妙な(気持ち悪い)と思われるかもしれないが、芽が出てつぼみを付け、苦難を乗り越えて大きな花が咲く過程こそが醍醐味と言えるのである。

僕青の今後は厳しいと言わざるを得ない

 とにもかくにも活動をスタートさせた僕青だが、今後の見通しは非常に厳しいと言わざるを得ないだろう。

多人数とゴリ推しという点に加え、これといったキーとなるメンバーが居ない(良く分からない)ことが大きい。つまり、何か似たような子がたくさんいるグループというボンヤリとした印象しかないのだ。

少人数ならそれぞれに注目しやすいが、大人数グループであれば前田敦子や白石麻衣、平手友梨奈のような「核」となるメンバーが必要になる。しかしながら、僕青にはコレといったメンバーが見当たらない。

その点でいえば、少人数と大人数の負の部分だけを集めたような形になっており、大勢の無個性たちという大変な事態になっている。もちろん、それぞれのメンバーには何かしらの個性や光るポイントが有るはずだが、客の関心がそれを見つけようと至っていないも問題だ。

個人的な見立てをいえば、何も改善が無ければ2~3年で解散。SNSでバズッたり、一般層の関心を惹きつけるような名曲に出逢えれば長続きすると考えられるが、今の秋元康に名曲を期待するのは酷だ。

いずれにしても、大人たちは23人の若者の貴重な青春時代を預かっているので、知恵を絞って汗を流し、メンバーたちに晴れ渡った風景を見せてあげなければならない。それこそが業界人の仕事であり責任なのだ。

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