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政策論集6 国民テストを考える

 下記のツイートによると、英国では「国民テスト」というものがあるらしい。

 この話題が出ると外国人の永住権に腹が立っている人たちにとっては盛り上がる材料らしく、中には「日本の方言のテストを受けさせろ」などとめちゃくちゃな難易度を設定して来るらしい。

 しかしながら、「先進国の永住権を得るための国民テスト」というものはあっても面白いと思う。

 そこで、私としては「とりあえずこんなものでよいのではないか」というものを実現性を無視したうえで並べてみた。

1.受験資格

 受験資格としては、永住先の国に本拠地を置く企業と現地地縁団体の長、あるいは数名の住民からの推薦状あたりが妥当と思われる。まずは永住先の国に「この人にずっといてもらいたい」と思ってもらえることは大前提であろう。

① 行きたい国の課題図書数千冊から一冊を選んで読書感想文を現地語で執筆する。

 読書をしてその感想を書く能力は、ある程度その国での「言語力」を要求するものである。せいぜい日本であればラノベレベルでよいと思うが、この程度は必要であろう。

② 数学

 数学はある意味では語学以上の「世界共通言語」である。言語力でどうしても母国語より劣らざるを得ない外国人にとって、この数学ができるとできないとでは職種の幅を決定的なほどに左右しうると思われる。日本の高卒レベルの範囲の「基礎的な問題を解く能力」(日本の大学入試のレベルに合わせるとトリッキーな問題が多すぎる…)くらいは必要であろう。

③ 歴史

 歴史に関する知識はその国家の理解につながる。言語力も同時に図ることができるので、日本でいうところの中学校日本史くらいの内容をテストにしてもよいであろう。

④ 社会制度一般

 社会制度一般については、その国で生活するうえで必要なものである。税制から交通法規、福祉制度まで最低限のものをテストする必要があるだろう。

⑤ 身体技能

 体を使って働くことができるかのテストである。障害者はどうするんだという問題はあるが、障害者なら障害者なりのテストをするというのは悪くないと思われる。②の数学などと組み合わせることで、ある程度「体を使って働ける人」を評価することができるようになるだろう。

 ここまでが「テストの内容」である。

⑥ 実地テスト

 最初にテストを実施してから半年ほどの間、「仮永住権」を与えたうえで半年ほど実際に生活してみるというのはその人が「実際にトラブルを起こさない人か」を調べるうえである程度有効である。

 外国人の永住権というのは、まじめに議論すると国家の権利・国民の権利・人としての権利が交錯する一大テーマである。今回試しに作ってみたが、日本国民としても身につけておいたほうがいい程度のテストを作ってみた。ある種「国民として将来やっていけるかの基礎能力」を測れるかもしれないものになっている。穴だらけもいいところであるがぜひネタとして使ってもらいたい。