今日の学び #16

先日読んだポストにCaps Lock がかかっただけでパソコンが壊れたと騒ぎ出すおばさんの話があった。現場を見たわけではないから作り話かもしれない。とは言え、何せスマホやタブレットがデフォの人たちが世の中の大半を占めるようになり、最早タッチタイピングは神技に近いらしい。私自身も仕事以外ではいわゆるキーボードを使わない。

Caps Lockはかけるのも外すのも一瞬で終わる。良かれと思い外してあげたら、「こんなに簡単に出来るなら、壊したのもお前だな」と犯人にされてしまったそうだ。もちろん現場を見たわけでは無いので真偽はわからないが、あり得る話だと思った。

パソコンがわからないオバさん、という物語存在は使い古されていて、世の中に馴染んでいる。ドトールの壁紙くらい違和感のない存在だ。一杯のかけそばより使いやすい典型である。そして、私は話に取り込まれているのでその時点では何も気が付かないのであった。

そこからこのポスト主は昔の薬草師が魔女狩りにあったのもこんな感じなのかな?としていた。ここで物凄い違和感。あまりにもレベルの違う話なので、これを同列に?という感想。まあ、それでも何とか言いたい事はわかる。あるものにとっては自明なスキルでも知らぬ者にとっては魔法に見える。無い話では無いのだ。

ただCaps Lockと森の賢い女を同列に扱うこのポスト主は基本的な教養のレベルでかなり疑わしい人物なのだろうという感想を得た。

何というかスキルというのは漢字の読み書きみたいな側面があり、出来て仕舞えば何ということはない。出来て当たり前の事で他人に喧伝するような事でもない。

そこでこのポスト自体の話なのだが、口調はおとなしめで感情の起伏の無い文章。パソコンあるある風味の話に作っているが本質は承認欲求に飲み込まれた作り話だと思っている。大事な話をする時は小声にすると相手が意識して話を聞く体勢をとる、というアレである。

承認欲求はまずは他人に認識されねば先に進まない。雑多な情報が飛び交うSNSでは、ただ騒げば見てくれるわけでは無い。語り始めから罠は始まっていた。

犯人にされたというくだりで「ああ、これではダメだ」と一気に現実味が薄れてしまったのは、たぶん私が汚れているからだろうw

そもそもこの話は140字でやる話では無いのだ。

この話から得るべき教訓は、ありそうな話をでっち上げるなら細部こそ入念に。「神は細部に宿る」のだから。

では、また別の記事でお会いしましょう。

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