ショートショート『飛び込み営業』
『飛び込み営業は、最悪だ。』
暗鬱とした感情が、つい口をついた。
同じようにホームで電車を待つ女子高生が怪訝そうな目でこちらを一瞥した。
いつからこんな風になったのか。
俺、篠渕渉は今年オフィス用品を取り扱う商社に入社した。
規模は大きくなく、怠惰なキャンパスライフで俺が得たものに比例するかのような小さな会社だ。
この会社に入ったことが、ただでさえ少ない運のツキだったといえるだろう。
旧態依然とした根性論が横行し、罵詈雑言のパワハラなど日常茶飯事である。
まあもちろん