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テン年代の終わりと20年代のはじまり

こんにちは。ルーズ・リーです。

みなさん、台風に備えての準備は万端でしょうか?

仕方がないこととは言え、朝霧Jamが中止となって悲しいお気持ちの方も多いと思います。

私もジャミーラウッズ(Jamila Woods)の東京公演に参加予定でしたが、台風のため中止になり悲しみに暮れています。

前向きにいきたいところですが、ここは一つ悲しみにどっぷり浸かってみませんか?笑

悲しいときは悲しい音楽を聴いてその世界観に浸ることができるのも音楽の醍醐味の1つですよ。

そこで、今回は悲しみを表現するアーティストラナ・デル・レイ(Lana Del Ray)より「ノーマンファッキンロックウェル」を紹介します。

まず、ラナ・デル・レイって誰やねん!と思った方向けに彼女を軽く紹介します。

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はい、めっちゃ美人〜。

いやいや、そんな浅いことが言いたかったのではありません。

彼女はティーンの時に歌いはじめて日の目を見るまで約10年かかった苦労人。

26歳の時に「BORN TO DIE」というアルバムを出すまではてんでダメだったみたいですね。

そんな苦労人ラナ、人間として切っても切り離せない悲しみを表現することにとても長けている人なんです。

ソングライティング、声、歌い方、全てにおいて深い悲しみに包まれている感じ。

特に特徴的なロートーンヴォイスに関しては「BORN TO DIE」で意識的に歌うようになったようです。(努力家 !!)

でも、ネットで彼女の写真を調べると笑顔の写真が多い。深い悲しみ、苦悩を知っている人の笑顔はグッと来るものがあります。

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さあ、ここから今夏にリリースされた「ノーマンファッキンロックウェル」を紹介していきますよ〜。


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はい。ジャケ。

かっけぇ。

お、なんか背景が油絵っぽいゾ?と思った人〜

はい、目の付け所が良いですね。

これはある画家が生きた時代への憧れと現代への皮肉が込められたアルバムタイトルから着想を得たものだと思われます。

そのある画家と言うのがノーマンロックウェル 。

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ロックウェルはアメリカの画家で、POST誌のイラストを担当していたことで有名です。

ロックウェルについて語りたいことはたくさんあるけれど、それは話の本題とズレてしまうのでまた今度にしますね。

ふーん。ロックウェルっちゅー画家がいたんやな。

え、でもなんでアルバムタイトルが「ノーマンファッキンロックウェル」なわけ?別に他の画家でも良くない?

うん。そうだよね。アメリカの有名どころの画家だったらガース・ウィリアムズとかカール・バークスとかジェームズ・モンゴメリーとか色々いるよね。

でも、ロックウェルであることには深い意味が込められているんです。

ロックウェルは「犬と少年シリーズ」

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に代表される可愛らしい生活の絵から、社会風刺が効いた

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「共有すべき問題」と言ったその時代のアメリカを描く力に優れている画家です。

そんなことから、ラナは過去のアメリカの終焉と現在とこれからを歌ったアルバムのタイトルにアメリカのリアルを描くロックウェルを起用したんだと思います。これは彼女自身のことで、実際のところはそんな大きい話じゃないのかもしれないけどね。

てな訳で、今作からいくつか曲を紹介します。

「Norman f*****g Rockwell」

アルバムタイトルにもなっているこの曲。

イントロ部分はまさに古き良き時代のアメリカ。個人的にはMGMのオープニングを思い出しました(トムとジェリーとかのライオンが出て来るアレね) 。

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そんなこの曲、アメリカの現状についてラナは皮肉を込めて歌っているようです。いろんなニュースを見聞きし、その話題について冗談混じりに話す。ただ、インタヴューで彼女は「全てのことが少しでもファニーなものになるように願っている」とも言っていたのでめちゃくちゃ悲観的な歌でもなさそうですね。

彼女の知性と希望をはらんだ悲しい曲

といったところでしょうか。

はい、次。

「Doin’ Time」

この曲は今作の中でもっともヒップホップの風を感じることができる曲だと思います。

曲の作りも流行りのヒップホップのよう。落ち着いたビートに芯の通った歌声が浸透していきます。

歌詞に関してはよくある一夏の恋的な歌詞だと思います。何か深い意味があるのかな...。

しかし、この曲2019年の流行りの音楽という感じがして個人的には好きです。

はい、次。

「Bartender」

この曲はもうほんとに美しい!ラナの美声が映える一曲です。

曲調は単純ながらも流れるようなヴォーカルが至高で、よく聴いています。

ラナを聴いたことがない人がいたらおすすめしたい曲の一つ。悲しみが上手く表現されています。


「hope is a dangerous thing for a woman like me to have - but i have it」

タイトル長えわ。

でもこの曲、ラナの知性や女性として生きていく強さに溢れた曲です。

直接的には書かれていませんが、人種差別などがこの曲のテーマなようですね。

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インタヴューによると自分の様々なルーツが彼女の制作の助けになり、そのような曲を書くことでルーツが明確にもなるとのこと。

なるほど。それはアウトプットすること全般に言えそう。


と、まあ何曲か紹介しましたが...。

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このアルバム、ピッチフォークの「The 200 Best Albums of the 2010s」で19位を獲得したんですねぇ。

19位って微妙な(笑)

いや、そんなことないんです。

今年リリースされたアルバムの中では堂々の1位なんです!

ピッチフォークの評によると、現代の風刺と悲観的な歌詞、あとは世界観、Jack Antonoffというプロデューサーによるところがこの順位になった理由のようです。

ちなみに、Jack Antonoffはポップス専門家といっても過言ではない程の人物でアッパーな曲をプロデュースすることが大得意。

それが、ラナとの化学反応というかなんというかで逆にとても落ち着いた雰囲気に昇華させているんですね。

ちなみに彼がどれほどポップスを得意とするかはソロ名義のBleachersを聴いていただけると分かると思います。

この曲は映画「Love, Simon」の主題歌で有名になりました。(この映画も面白いよ!)

かなり王道のポップスで元気が出る。この人がラナと一緒に「ノーマンファッキンロックウェル」を作り上げたと思うと感慨深い...。

そんなこんなで、2019年も終わりにさしかかった10月だからこそ、2020年へ向けてラナ・デル・レイ「ノーマンファッキンロックウェル」を聴く価値は大いにアリです!


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