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【読書紹介】スタンフォード式最高の睡眠/西野精治

☑️はじめに

「きちんと休んだはずなのに身体が重い」
「いつも眠い状態が続いてる」
「日曜日の夜はいつも憂鬱...」など

日常から疲労を感じる方は多いのではないでしょうか。

特に、欧米人と比べ一般的に、「日本人は休み方が下手」と言われています。

それは、生真面目な国民性がゆえの長時間労働、残業、飲み会、さらには休日も親睦会(または接待)などの付き合いが、私たち日本人には付き纏う為です。

そんな"ハード"な毎日を送っている私たちはどのように疲労と向き合えば良いのでしょうか。

今回は、疲労回復の観点から、スタンフォード式最高の睡眠(著者西野精治氏)をご紹介したいと思います。

☑️著書の概要

「睡眠学の総本山」の呼び声高いスタンフォード大学の睡眠研究。

そのトップを務める著者が、最新の科学的根拠に基づいた「最強の眠り方」を具体的かつ分かりやすく説明してくれている内容になっています。

☑️私たちが置かれている環境

著者によれば、本当の意味で"良質な睡眠"を取れている人は少ないといいます。

特に睡眠が不足する状態のことを著者は、「睡眠負債」と呼んでおり、その状態のことを借金のようなものと例えています。

そのような状態が常態化してしまうと、
・日中のパフォーマンス低下
・情緒不安定
・健康被害の悪化
といった悪影響が出てくるといいます。

そのような傾向は私たち日本人は、欧米諸国に比べ日は寝ていない(睡眠負債が大きい)と指摘します。

☑️睡眠の役割

それでは、なぜ私たちは睡眠を取らなければならないのでしょうか。
そもそも睡眠をすることでどのような効果・効能が得られるのでしょうか。

簡潔にまとめると以下のようなメリットがあります。

・身体と脳に休息を与える
・記憶を整理して定着させる
・ホルモンバランスを調整する
・免疫力を上げる
・脳の老廃物を取り除く

☑️良質な睡眠のポイント

そのようなメリットを最大限享受する為には、大事になってくるポイントとして、著者は「黄金の90分」を主張しています。

そもそも睡眠には2種類に分けることができるといいます。

レム睡眠
➡︎脳が活発に働いており、記憶の整理や定着が行われる。

ノンレム睡眠
➡︎脳や肉体の疲労回復が行われる。


このうち、一番最初に来る睡眠こそが、ノンレム睡眠であり、この質をいかに高めるかが良質な睡眠には欠かせないポイント(黄金の90分)であると述べています。

【黄金の90分のメリット】
⇒自律神経を整える
 成長ホルモンを確保できる
 脳のコンディショニングを良くする

☑️黄金の90分の質を高める為には

そのようなポイントを押さえるために、具体的な方法として3つ紹介しています。

【具体的メソッド】
・体温を切り替える
・脳のスイッチを切り替える
・覚醒時(起きている時間)をコントロールする


■体温をコントロールする
人体のメカニズムにおいて、深部体温と皮膚温度の差が縮まると眠くなるという習性があります。

この習性を利用して、最初の寝付きを良くしていきます。

【具体的な方法】
・就寝90分前の入浴
・すぐ寝る時はシャワーや足のマッサージで
・室温を適温に整える
・就寝時間と起床時間を一定にする
(とりわけ就寝時間)


■脳のスイッチを切り替える
どんなに睡眠に適した環境であっても、脳が活動していたら眠ることはできません。
(だからといって「何も考えない」というのはむずかしいのですが...)

そこで、著者は脳の活動を「活動モード」から「睡眠モード」へ切り替える為の行動を推奨しています。

【具体的な方法】
・「モノトナス」の法則
・睡眠前はスマホを見ない
・寝る前は一連の流れで
・入眠時間を固定する
・起きたら朝日を浴びる

■覚醒時をコントロールする
良質な睡眠の為には、日中の活動にも気を配らなければなりません。

睡眠と活動は表裏一体で、片方だけを良くしようとしても効果は薄いと言います。

日中、いかに身体のサイクルに合わせた活動ができるかで良質な睡眠が得られるかが決まります。

【具体的な方法】
・アラームは2回で!(微音&普通)
・どんな天気でも数分間朝日を浴びる
・食事はよく噛む
・大事な要件は朝から午前中に取り組む
・夕食は抜かない


最後に補足になりますが、昼寝によるリカバリー効果も紹介しています。
(ただし、30分以上の昼寝は神経系のバランスを崩してしまう為、注意が必要なようです。)

☑️さいごに

私もそうなのですが、「平日少しぐらい寝不足でも週末にまとめて寝ればなんとかなる」と思っていたのですが、著者はそれを否定しています。

著者は、「よく寝溜めで睡眠負債は解消できますか?」といった問い合わせが多いようですが、結論、それはできないようです。

一旦、睡眠負債を抱えてしまうと、その負債を返済するのに(身体が正常に戻るまで)約3週間は必要だといいます。

たった一つ習慣を変えるだけで効果を感じられる内容になっていますので、ぜひ興味のある方はご一読をオススメします。

それではまた!

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