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『最近仕事に集中できていないと感じる方へ』効率を上げて本来の力を発揮する方法

☑︎"集中"することへの関心&きっかけ

私は昔からスポーツ(やるのも観るのも)大好きなのですが、
TVでニュースや特番などがあればそれを見て、隙間時間があればスマホでスポーツ結果を逐一見てしまいます。

(先日のゴルフでの松山選手のマスターズ制覇には年甲斐にもなくはしゃいで喜んでしまいました...!!)

そこで以前、某スポーツ番組にて、アスリートの方々が、試合の感想を話している時に、口を揃えて言ったことをご紹介します。

【あるプロ野球選手】
「球が止まるように見える試合が一年間で何度かある」

【あるプロゴルファー】
「何百ホールもやってると何度かカップまで球が入るラインが見える時がある」


【あるプロボクサー】
「試合中相手の動きが手にとるようにわかる」


プロのトップアスリートたちがこぞって口にするこの状態のことをスポーツ業界では、"ゾーン"と呼んでいます。

もしそのゾーンを私たちが活用することができたら、どれだけパフォーマンスを高めることができるのでしょうか。

そこで今回はそのような集中した状態とはそもそも何なのかを解説し、日々の生活や仕事に役立てる為に必要なテクニックを説明していきます。

☑︎ゾーンの正体とは

そもそもアスリートたちが口を揃えて言葉にする"ゾーン"とは、何なのでしょうか。

一般的にはゾーンとは、集中力が極限まで高まり、感覚が研ぎ澄まされたように感じる状態のことを指します。

プロ野球選手である内川聖一選手もゾーンの状態を次のように語っています。

「結果が出ている時は、守る相手の野手の間がすごく広く見える。

バットの先まで神経が通っている感覚があって、構えた時にはヒットコースが見える。

打てるイメージでバットを振って、そこにボールがくるのが一番の状態。

そうでなくても、打つ瞬間に少し詰まらせてあそこに落とそうとか、左手の操作で角度を変えられることもある。」


まさにそれは天才の境地とでも言うべきでしょうか。
そのようなトッププロが体感するゾーンの状態を心理学では何と定義しているのでしょうか。

心理学ではそのような状態のことを"フロー"と呼んでいます。

フロー理論の提唱者であるミハイ・チクセントミハイ氏によると、フローとは、「時を忘れるくらい、完全に集中して対象に入り込んでいる精神的な状態」と定義しています。

さらにフローにおいては、行為そのものが報酬(得られるもの)になる為、「メダルがもらえるから頑張る!」といったことではありません。

例えば、幼少期の私も「日が暮れるまで友達と遊んだ」ことや、「読書をしてて気がついたら夕方だった」ことがありましたが、まさに夢中になったフローの経験であったと言えます。
(余談ですが、基本的に「帰るのが遅くなり親に叱られた」、「家事を何も手伝わず親や嫁に怒られる」までが私のセットでしたが...)

☑︎ゾーン状態とフロー状態の区別

さて一般的に、『ゾーン』と『フロー』は同義として語られることが多いです。

しかしながら、現実世界では、ゾーンの状態とフローの状態とでは意味合い(程度)が異なるように感じます。

脳科学者である茂木健一郎氏はインタビューの中で、次のように語っています。

「(フロー状態とゾーン状態)両者を区別するのも有益であるように思う。フローの最高の段階を「ゾーン」と呼ぶことにしてはどうか。


両者を区別することは私も大賛成です。
その為、ここでは、フロー状態があり、さらにその中で究極的に集中した状態のことをゾーンと呼ぶことにします。

☑︎ゾーンに入ることの難しさ

なぜ、ゾーンとフローを区別する必要があるのでしょうか。
既述の内川選手は記者とのインタビューで、さらに以下のことを語られていました。

「(2008年首位打者のタイトルを獲った年)
落ちる球が、目の前でサッカーボールぐらいに大きく見えた。毎回この感覚だったら絶対打てるなと思った。
でも、これは一度きり。その時の調子や精神状態とか要因はいろいろあるだろうけど…あれが何だったのかを、今でもずっと探している気がする。」


このようにプロの世界で最前線で戦っているトップ選手でさえ、年に一回(あるいはキャリアの間に一度)しか経験のない状態のことをゾーンと呼んでいます。
その状態に入ることはプロの選手でも決して容易ではなく、私たちも同様のことのように思います。

それでは私たち社会人は何を目指すべきなのでしょうか。

☑︎フロー状態のススメ『フロー』⇒『ゾーン』へ

フローとは、「圧倒的に集中している」かつ、「時間を忘れて、夢中になっている」状態のことです。
(日本語的に言い換えるなら、「無心」や「無我夢中」といった具合でしょうか)」

そのような状態に入る段階のことをミハイ・チクセントミハイ氏は、以下8つがフロー状態を生み出す要素であるとしています。

■目標の明確さ
(何をすべきか、どうやってすべきか理解していること)

■どれくらいうまくいっているかを知ること(ただちにフィードバックが得られること)

■挑戦と能力のバランスを保つこと
(活動が易しすぎず、難しすぎないこと)

■行為と意識の融合
(自分はもっと大きな何かの一部であると感じること)

■注意の散漫を避ける
(活動に深く集中し探求する機会を持つこと)

■自己、時間、周囲の状況を忘れること
(日頃の現実から離れたような、忘我を感じている)

■自己目的的な経験としての創造性
(結果ではなく過程に注力すること、その為過程である活動が苦にならない)


もちろん、上記全てを満たす必要はありません。
上記にある要素一つないし複数が関わり合うことで私たちはフローの状態へと入ることができます。

フロー状態を何度も経験することで、いつしか'究極の集中"であるゾーンが生まれます。

それでは具体的にフロー状態を得る為に私たちはどのような事に注意しなければならないのでしょうか。

☑︎フロー入門!集中する為にできることとは?

私たちは仕事は一人で完遂するものではなく、常に周囲のメンバーと協力し合いながら仕事を進めることが当たり前であることは、ご存知の通りだと思います。

しかし生産性を考えると、時として、周りをコントロールしてでも私たちは自分にルールを課して取り組まなければ、パフォーマンスを上げるフローの状態へと発展していきません。

そこで私たちができるフローに入る為にオススメな行動をご紹介します。

【フローに入る為に私たちができること一例】

・集中する時間を設ける
⇒誰も出社していない朝に作業をする
 メールが来てもすぐには返信をしない
 電話を折り返す
 話しかけられてもあとで話すと約束する

・受動的ではなく、自主的に行動する
⇒「上司に言われたからやる」のではなく、「頼まれごとは試されごと」の精神で取り組む
 自分締切りを設け、常にスピードを追求する
 相手が求めている期待を超えるよう努力する

・自分の仕事の意義を知る
⇒製品やサービスのことを理解し好きになる
 誰かのタメになっていることを知る
 働いている会社のファンになる


もちろん、集中し、時が忘れるぐらい没頭することが目的である為、上記が全てではなく、
他にも「私はこういうことに取り組んでる!」、「私はこれに気をつけている!」などありましたらぜひコメント欄で教えてください。

☑︎さいごに

ミハイ・チクセントミハイ氏の研究では、主にフロー理論のことに焦点が当てられていますが、もっと踏み込むことでその活用範囲は拡がっていきます。

YouTubeに動画が掲載されている『TED』では、著者自らの人生を振り返り、第二次世界大戦後に荒廃した祖国ハンガリーで仕事や家などの拠り所を失ってしまい「生きる希望」をなくしてしまった人達の姿を目の当たりにして、「生きる事とは何か」「幸せとは何か」を追求した結果、フロー理論が生まれたと赤裸々に話されていました。

そういった意味でも、フロー理論はあくまで手段であり、大事なことは"幸福"になる為に努力することであることを頭の片隅に覚えておいてください。

最後になりましたが、ぜひ皆様の"集中する為にやっている秘訣を"コメント欄で教えてください。

それではまた!

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