見出し画像

ボンタン飴と兵六餅⑤(最終)世界遺産が二つもあるのだ

  絵はポプラ社「兵六ものがたり」(西郷竹彦作 箕田源二郎絵)より

【 吉野台地の世界遺産 】


  吉野原(よしのはい)の狐(きっね)は      
  尾の無い狐        
  儂(わし)も二三度は        
  おはらハァ
  騙(だま)された
  
 吉野原の狐は
 化ける力を持つ尾の無い古狐だ
 私も二度か三度
 騙されたことがある 
           「鹿児島おはら節」より 

《 世界遺産が二つ・・・ 吉野原こぼれ話 》


 吉野には「明治日本の産業革命遺産」に近年登録された遺跡が二つあります。一つは寺山の森の中にひっそりと佇む「寺山の炭窯」の跡。もう一つは稲荷川水系の上流にある「関𠮷の疎水溝」です。

 どちらも地味~な遺跡なのですが、幕末の薩摩が成し遂げた産業革命である「集成館事業」を支えた、二つの重要なエネルギー源として評価され注目を受け、世界遺産になったものです。

 キーワードは「炭」と「水」。これがなどのように産業革命に結びついたのかということを述べてみたいと思います。

ここから先は

1,367字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?