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【RX 高岡】 第6回 しろさとTT200 Powered by Palatinose トップタイム(OPN)

おきなわ前の仕上げ

第1回から招待選手として走らせて頂いているしろさとTT。
1回を除いて200kmを走っており、第5回(2023年3月)ではじめて高橋翔さんに負けた以外は毎回一番時計だった。
今回の自信はあまりないが、おきなわ1週間前だから最後のトレーニングの仕上げとして全力を出し切るのみ。

9月3,100km、10月2,600kmと積み上げたトレーニングでCTL 155くらいと疲労のピークから抜けきれていないのと、金曜のトレーニングでちょっと体重コントロール失敗して猛烈に脚を攣ってしまったので、そこらへんからのリカバリー具合が心配。

作戦

今回走り方をちょっと変えた。以前は1周のうちに2回ある登りをダンシングして身体をほぐしていたけど、パワーと速度(タイム)考えると立ち上がって空気抵抗を大きく受けるダンシングはかなりのロス。
なので今回はダンシングを減らしてタイムアップを図ろうと。

結論は、ダンシングを減らしてなるべくエアロポジションキープで走ったのはタイム短縮にかなり繋がった。
一度速度落とすのはその坂のタイムだけでなく、その後に再び速度を乗せるまでの労力と時間のロスも含めてかなり損失が大きい。
『遅く走らない』がタイムトライアルの鉄則。

アップ無しでスタート

いつも通りウォーミングアップはなしで、1周5.7kmのローリングスタートをアップ代わりとする。1周をゆっくり走って10分ちょい走ってから本スタート。

1周目7’47。遅い。いや遅くはないか。このペースだと35周は4h32m25s。
ベストは4h28m24sで1周平均は7’40。
まぁベストは出ないだろうけど、一番元気な1周目に自然体で入ったペーストしては良くない。後半は確実に落ちていくだろうから。

と思ったのだが結果から書くと、実は1周目がワーストラップだった。入りが遅すぎたのか。そんなに抑えたつもりはなかったが。

2−6周目で安定したペースは7’30。けっこう速い。ベストの時よりも速いので少し速すぎると思い意識して抑える。
ただダンシングせずにシッティングのまま頭下げて空気抵抗小さいまま登りをクリアしているのがけっこうタイムに効いていると感じた。

しかし当然の事ながらその代償としてだんだん肩と上腕が辛くなる。
何周目か忘れたが、登りでダンシングしてほぐすようにした。
2周・15分くらい続けるとかなりしんどいので、キツくなる前にほぐさないと集中して走れなくなると思い、10周目くらいからは毎周S/Fの坂でダンシングをすることにした。タイム的にロスにはなるけど、今までの毎周2回よりはマシだし、同じ姿勢と動きを4.5時間続けられることが重要なので。
一度身体か精神が崩壊したら、タイムロスは取り返しのつかないことになる。

ほぼ7分30秒台で周回を重ねるタイムを見てもそうだが、走っている感覚としても今までよりも速い。抜いていく選手との速度差が今までよりも全体的にかなり速いので、今までで一番ドラフティングを使えていないと感じた。
今まではたまに近いペースの選手がいたけど、今回は皆無。

1時間走って44.9km。2時間走って89.6kmなのでAv 44.8km/h。かなり速い。
後半垂れるのを最小限に抑えたら、自己ベストに近い記録を狙えるんじゃないかと思いつつ、必ず後半キツくなるのでその恐怖に怯えながら『落ち着け』『上げすぎるな』『リラックスして』と自分に言い聞かせて走る。これ、ほんとに走りながら声に出していた。

予報では朝方は1m/sの風で、昼前には3m/sとなる。いつものことだが、後半に風が強くなるのもペースダウン要因。

3時間でメーター見たら134.8kmなので、またAv 44.9km/h以上になっている。ラップタイムは時折7分20秒台と40秒台がありながらも、基本的に30秒台を維持している。

こうなると怖いのはエネルギー切れ。
45km/h以上で走っていると、背中に手を伸ばしてジェルを取って、口で切って飲んでゴミをしまう、という作業でも空気抵抗が増大してかなりのタイムロスになるから、極力食べる回数を減らしたいけど、食りなくなるとThe End。
補給食食べると確実に数秒のタイムロスになるが、レース全体で見るとそれは省略できないので、なるべく前に選手が多いタイミングで補給食を背中から摂って摂取するようにした。

残り10周となると俄然元気が出てくる。まだ57km・75分くらいあるので普通に考えたら長いんだけど。
多少タイム落としても十分貯金はあると言い聞かせ、リラックスして走ることを心がけて、結果的にペースを維持できた。
最後もペースは上がらず、とは言っても2番めのラップタイムである7'26で上がり。

リザルト

奇跡的な完璧な走りだった。

https://shirosato-tt.com/result/result_shiroatott202311.pdf

結果は自己ベストを3分55秒短縮する4時間24分30秒Av 44.988km/h

今まで4時間30分を切ったのは第2回大会の自分の4時間28分25秒だけで、この記録は当分破られないだろうと思っていたが、それを分単位で短縮できたのはスーパーサプライズ。

前回負けた高橋翔さんと同じ条件で直接対決出来なかったのは残念だけど、ずっと後年になってもベンチマークとなるような記録が出せたと思う。

なおもっと残念なのは先日電池交換した心拍計が接続できなかったこととパワーメーターが電池切れになったこと。
心拍計は、仕方なくGarminFR965でデータ取ったのでまぁ良いんだけど(胸心拍ベルトよりは正確性に劣る)、パワーデータは非常に痛い。年に数回しか使わないので電池交換は気にしていて、先日ローバッテリー警告が出たので交換していたんだけど、その時はGoodが出ていたもう片側が切れた、、、
両側計測での電池交換は左右同時が鉄則。基本ルールをおろそかにしてしまった。

小山さんのLow-Tec Cyclingのサイトから計算したところによると、推定パワーは251W程度。

補給戦略

毎度のことながら、自分の補給戦略はあまり参考にならないと思う。

どれだけ単位時間あたりに大量の糖質を摂取できるかがエンデュランススポーツのパフォーマンスを左右する時代、だそうだが、私の胃腸の能力はそこまで高くない。
その代わりかどうか分からないが、前日までにカーボローディングをしっかりやってかなり少ない補給で走りきれるという生きる知恵を身につけた。

前日の食事はブログに書いといた。

レース中は、1時間20分過ぎで始めてジェル摂って、また1時間くらいしてから2個め。3時間くらいで3個め。けど絶対足りないよなと思いながら、数秒ずつロスしても後半に失速しないことのほうが重要と思い、4個目・5個目は時間を詰めて食べた。
1・2・3はACTIVIKEのSPEED GEL。4個目はカフェイン120mg入りのアミノザウルス03。いずれもツールドおきなわで使用するのを想定してテスト導入。

新発売のSpeed Gel

ジェル1で120kcal程度だから5個で600kcal。
あとはボトルからだけど、ボトルの水は200kmで750ml+100ml弱。
中身はACTIVIKEのスピードウォーターを濃いめで。750mlに100g溶かした。
なのでボトルからで400cal程度とすると、摂取カロリーは計1000kcal。

Activikeのドリンクもそうだが、ジェルもたくさん摂っても変な人工的な甘さが口に残ることがない。通常レース中に4つもジェル食べたらレース後に口の中が気持ち悪くなるが、これはそういうことがないのが良い。

前回大会の後にアームレストの角度を15°→20°に変更した影響で今日はフォームがだいぶ良くなっていると感じた。腕・手と顔が今までよりも近いので当然空力は良い。ほぼ斜め前5−10mくらいを見て走る感じで頭を低い位置で固定して走れていたのも巡航速度が上がった一因と思っている。

勝因分析

今回100点満点と言えるタイムが出せた要因を考えたみた。

  1. エアロフォーム

  2. トレーニング

  3. 走り方

1に対する貢献としては、ハンドルまわりの改善が大きいと思う。機材投資が活きる。自転車ショップオーナーとしてのあるべき姿。

後半は若干崩れてきてるけど、平均的に手と顔の位置が今までよりも近付いていると感じていたし、写真でも確認できる。
アームレスト台座のパーツを交換してハンドルのライズ角を上げた事により空力向上したフォームで走れた。

2 トレーニングに関しては、ここ2週間しつこくやったSSTが効いているかな。すごい初歩的なベースのトレーニングだけど、やっぱりそこをしっかりとやるのは全てにおいて有効だと思う。

3 走り方は前述のとおり空力優先でダンシングを減らしたこと。ただその代償として肩周りと上腕が耐えられないほどキツくなるので、最低限維持できるサイクルでダンシングを組み入れる走り方が重要。しろさとのコースは何度も走っているので、その中で自分に合った走り方を見つけることができた。
このコースでは1周(7.5〜8分)に一度のダンシングが必要だった。今回は序盤はダンシングせずでキツくなってからだったので、序盤から同じリズムでやるなら1.5周に一度でも良いのかもしれない。次回テストしてみよう。

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