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相棒21 最終回スペシャル 後篇

何はともあれ、祝・無事完走!

まずはそれでいいよ、ね。

***

最終回後篇。何とかリアルタイムで見届けた。
結論から言えば、「何とか」が本音であり、
でも「見届けた」のが事実である。


※そのため、決して批判に終始するものではなく、愛を持って書いたつもりではありますが、賛辞が並ぶ感想ではありません。そういうものを受け入れられない方はここでお戻り下さい。


私はドラマを見る場合、基本的に登場人物で全てを受け入れられるタイプではない。まずは何より、ストーリーで引き込んで欲しい。しかも自然な流れで。

我ながら面倒くさい体質だと思うのだが、わざとらしさを感じてしまったら、そこで音を立てて心が引いていく。かつての相棒の某シーズンの某回では、引いていくどころか、一気にシャッターが降りたこともあるくらいだ。

今回のストーリーについては、正直かなり無理がある、というか、やはりそれをやるならもっと時間を割くべきことがあったと思う。

そこに至るまでの心情が見えないから、ただ主義主張を振りかざしているようにしか見えなくて、せっかくのクライマックスに全く感情移入出来なかった。

ゆえに、途中から見るのに苦痛を感じたのは否めない事実である。


だが不思議なことに、完全な拒否も出来なかった。

この不思議な感情は何だろう…と考えた時、先週の祭りについてとともに、神戸期ラストのSeason10最終回「罪と罰」を見た後のことを思い出した。

ストーリーに思うことは多々ある。
でも、もうそれはいい。そこに描かれた人間模様の真剣勝負(特に右京さんと神戸君の全面対決)は素晴らしかったと思う。ラストシーンも美しかった。それでいい。神戸尊に花道作ってくれてありがとう。

そんな風に思ったあの時と、ほぼ同じ感情であることに気がついた。

ストーリーに納得はしてない。多分あの時以上に。
でも、一歩間違えればすべての歴史をぶち壊しかねない初代の復帰というカードを切った今シーズン、期待以上で戻ってきて結果を残した薫ちゃんがいて。

そこを巡って周りの人達もまた懐かしい面だったり新たな面だったりを見せてくれて。

そして「亀山以外もあり」という実績を作って長く続けていく礎を築き、「卒業しても戻れる」前例をも作り、そして代替わりしても現れることによって各シリーズの見えない部分が地続きの世界であることを示してきた神戸もそこにいて。

その神戸期の映画で描かれた官房長のことが初代の世界線と繋がって。

pre3本+連ドラ21シリーズ(映画含む)が、はっきりと一本の線になり、ひとつ実を結んだ瞬間だったと思う。

ここに映らない・いない人も含めたあらゆる人が、繋いで繋いで、この日までたどり着いたのだ。

先週に引き続き、ここにたどり着いた達成感が画面からにじみ出てるし、何だか皆さん楽しそうで嬉しそう(特に右京さん)。

それを見られただけで充分。祭りの輪の中にはやっぱり入れなかったけど、間違いなく美しいものを見た。それでいいじゃない、と。

まさにそういうことだった。

そう思えたこと、それを見届けられたことを大事にしたい。後のことは、ラストにすべてをかっさらった美和子スペシャルで飲み込んでおこう。

それが最終的な結論である。



思い出を壊さないでくれてありがとう。

もう“相棒ファン”には戻れないと思うけど、一度は愛した世界。もう少し、信じて、見守りたいと思います。

なので後は何とぞ、惜しまれるうちに、美しい幕引きを…それも愛だと思うので…(そこそこ入れ込んだそこそこ長いシリーズが寂しい終わり方をした過去があり、2代目登場の頃からこれはずっと言い続けている)


***

尚、余談。

Season10最終回「罪と罰」、そのラストカットは私が見た範囲内でシリーズ史上最も美しいシーンだと思っている。

引きで一本道。二人が並んで歩くこと、同じ車に乗ることはもうないけれど、向かう方向は一緒で、あんな出会い方をした二人だけど、同じ方向に向かう二人になったんだなぁ…と感慨深かった。

どんな表情をしているのかが見えないから余計に想像をかき立てられたし、二人がペースを合わせれば、また会うことが出来る。そんな可能性も秘めているように見えて、何だかじんわり来たのを覚えている。

まさか、ここまで関わりが続くことになるとは、思ってもいなかったけどね。

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