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天才の山

天才は孤独だった

なぜなら、天才すぎて
誰とも話が通じなかったからだ

誰も彼女の表現を理解することができなかった

それ故、どんなに頑張ったところで
見向きもされない結果となった


ようやく世の中が追いついてきた頃、
彼女が脚光を浴びるタイミングがやってきた

多くの人々から賞賛され、愛された

しかし彼女はなんとも言えない不安感に陥った
能力だけが愛されることが怖かったのだ


人々に愛されているのは、
明らかに自分の「能力」だった
もしも何かの拍子でこの能力や技術を失ったら、
あっという間に愛想を尽かされる気がした


逆に、これと言って何か秀でていなくても
すぐに周りから愛される人を羨ましく感じた

自分の作品を賞賛され、崇められるほどに、
条件的に感じるようになっていった


人々の評価は大切であり、ありがたかった
同時に、そこだけに惑わされてはならなかった
孤独や愛などは、個人的なことに過ぎないからだ


誰かのためでも、自分のためでもなく
ただ湧いてくるままに
熱はなくとも、当たり前に命をかけている

いつか終わりがくる日を
どこかで待ち望みながら


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