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日中韓の女子大生、美意識比較

大学に通った5年間、私は日中韓の3カ国で学生生活を送った。流行りに敏感な女子大生のルックスは、かなり違いがある。

もし、3カ国の女子大生がノーメイクで全く同じ服を着ていたら、どの国の人かわからないほどに似通っているだろう。しかし、メイクをして髪の毛をセット、好みの服を着た瞬間、それぞれの流行や美人像が反映され、強烈な特色が出てくるから面白い。今では一瞬でどの国の女子大生か、見分けをつけることができる。

べっぴんは誰だ?

ある友達が言った。化粧をして比較すれば、韓国の女子大生が1番ぺっぴんだろう。でも、すっぴんで比べたら、中国の女子大生が1番かもしれない。日本の女子大生は、美人というより可愛い派が多い。

ほぅ、と妙に納得した。確かにそうだ。

韓国は美しいロングヘアーに白い肌、真っ赤なリップで、いわゆる美人派が多い。一方、日本は、巻き髪のふわふわヘアスタイルに、目はメイクでクリクリの大きな目に仕上げる可愛い派が人気だ。

中国の女子大生はというと、確かにすっぴんナチュナルが多い。私は大学院も中国で通ったのだが、当時の女子大学院生からメイクのやり方を教えて欲しいと頼まれたことがある。もともと色白で背が高かった彼女はメイクをするとべっぴんに変身した。

どこに時間をかける?

女子のみなさんは身支度でどこに一番時間をかけるだろう。三カ国ではそれぞれに時間をかけるパーツが違うようだ。時間を割くにはそれなりの理由がある。

私が日本の大学に通っていた時は、圧倒的にメイクに時間がかかった。特にアイメイク。アイシャドーでグラデーションを作ったり、程よい太さのアイラインを引くのに必死だ。寝坊をした日は、電車の中でもメイクをしたほど、すっぴんで大学に行くことはほぼなかった。そのくらい、メイクにはこだわっていたものだ。

韓国の女子大生は、美しい肌をつくるのに時間がかかるようだ。陶器のような素肌が綺麗だなあと思っていると、だいたいそれは化粧で出来上がっていることが多い。スキンケアの段階から美しい肌を演出するためには抜かりがない。肌のツヤ感を邪魔しないよう、アイメイクは控え目。シャンプーのCMに出てきそうな綺麗なロングヘアーに、真っ赤なリップで顔をひきしめるのが韓国流美人だ。

中国の女子大生は、日中の女子大生に比べると、あまり化粧やヘアスタイルに気を使わないように見える。圧倒的にナチュラル派が多い。日本ではすっぴんで大学に行くことはあり得なかった私も、中国では平気でノーメイクだった。私が留学していた8年前はジャージスタイルが流行っていた。街を歩くと若い女性がカッコよくジャージを着こなしている姿をよく見かけた。

ちなみに、中国で理想とされる女子のことを「白豊美」(バイフーメイ)という。つまり、色白、金持ち、美しい女子のこと。ちなみに、男子は「高豊帅」(ガオフーシュアイ)で、長身、金持ち、イケメンを指す。男であっても女であっても、「金持ち」は必須条件なところが中国らしい。

毛の話

美意識といえば、毛の話も気になる。私は女子の割に毛深い。それが長年のコンプレックスだった。

だから、韓国に留学した時は驚いた。女子大生は腕の毛を剃らないからだ。日本といえば、毛に対して非常にセンシティブで、私が育った東京では女子は中学生の頃から腕と脚の毛を剃り始める。脇の毛にいたっては、見えたら死刑くらいの勢いで、みんな必死に処理するのである。

そもそも、腕の毛が生えていない人なんていないわけで、生えていることの何が悪いのだ!と、韓国の女子大生を見て気持ちが軽くなったのを鮮明に覚えている。

その後、中国に留学した時はさらに驚いた。女子大生は脇の毛も剃らないからだ。何気なく腕をあげて頭をポリポリとかいた瞬間、ナチュラルな毛がノースリーブの間からふわふわ見えた。私は文字通り、脇毛に釘付けになった。なんと、大学生になっても、毛を気にしないという選択肢があったのか。さらに気持ちが軽くなった瞬間だった。

日本は毛に対してあまりにシビアすぎるのかもしれない。美意識の高さは美徳とも言えるかもしれないが、長らくそれに苦しめられてきた私からすると、美意識が高いことによって苦労することも多いのだと思った。





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