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CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと➉

もうわかっていただけましたよね。CCUSの第一目的。

案の定記事が増えました。概要は外国人技能実習生と特定技能外国人の内容追加です。二つの制度の格差と外国人制度を食い物にする利権について新しくわかったことがあるので、書いてみようと思います。しかもまたまた調査中に怪しげな動きを見つけました。そこは私が危険なので有料にします。

まずお詫びしたいのですが、外国人受入れ制度についてのわたしの視点がそもそもズレていました。JITCO、FITS、OTIT、JACの4機関、送り出し機関、受入れ支援機関を把握していれば80%位は人やおカネの流れは把握できると思っていました。あと付け加えるなら出入国在留管理庁くらい。

ところが一番大事なところが欠けていました。一番大事なことが一番目立たない場所に書かれていました。ここに気付かずに飛ばしてしまいました。それは何か。「外国人就労管理システム」です

noteの⑧にも書いていたのですが、国土交通省の特定技能外国人に関する文書を読んでいて見慣れない言葉に気付いていましたんです。「外国人就労管理システム」ん?これは何だろうと。


最初はCCUSか4機関および出入国管理庁の登録システムの名称の誤記あるいは総称しているのかと思ってさらっと読み流して、ずいぶん長い間無視していたんです。ページ構成もわかりづらいしゴミページだと思って。ただ、その⑧リリース後もまだ実務の流れ、特に受入れ企業の手続きがはっきりとはイメージできず自分自身モヤモヤしていたので数日前ふと思い出し、もう一度読み込んでみました。

やってよかった。必須事項でした。しかし趣旨や全体の内容を確かめようと思って「オンライン申請」のURLを踏んでみたらページが存在しないエラーが出たことは書いたとおりです。その時はさほど気にしていませんでしたが、その⑧を終えてリライトすべきところを探していた時にここの検証が不十分だったと気付きました。

本来はまずここから始めるべきだったのだと。

入国後の管理体制についてもより良い資料を見つけました。こちらを見てください。よこぜき行政書士事務所さんの特定技能外国人労働者さんを取り巻くしくみの解説がとてもわかりやすかったので紹介いたします。これももっと早くに見つけたかった。


この図のオレンジの囲み線とコメントはトムロ総研で加筆しました。

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オレンジ囲みを左と考えると、受入れ機関を主とする右と何が違うでしょう?手続きも支援とやらも事実上何も変わらないんです。建設特定技能制度の概要に係わる膨大な提出書類を全て確認しましたが、登録支援機関(FITS、JAC、弁護士事務所、行政書士事務所、民間企業)でなければ書けないものは一つもありません。そこそこ頑張れば受け入れ会社ですべて作れます。つまり青い矢印で示された支援委託費用なんて本来払う必要が無いんです。

ところがそうは問屋が卸さない。まず受け入れ会社は冒頭に出てきた「外国人就労管理システム」に特定技能外国人と自社に関する情報を詳細に登録しなければなりません。公共事業労務費調査をご存じの方は割とスムーズに入力できるかと思います。尤も手間は数倍です。これは無料なのですが、必ずJAC(建設技能人材機構)への加入が義務付けられていますw 右側でも受けられる同じ内容の指導や助言、支援が必要でしょうか。出入国管理庁からも受けられることになっていますよ。一方で技能実習生は現地で多額の研修費用を送り出し機関に払っています。とにかくカネカネカネです。日本側の集金システム概要はその⑧を見てください。私には必要性を全く感じないんですがこれを利権と言わずに何と称するのでしょうか。ここにはおカネにまつわるあるカラクリがあるのですが後で説明します。


外国人就労管理システムHPより

(一社)建設技能人材機構への加入について
 受入企業は特定技能受入事業実施法人((一社)建設技能人材機構)に加入する必要があります。
 受入企業は、機構の正会員である建設業者団体の会員となるか、機構の賛助会員となるか選択することができます(イメージ図)。 ※登録支援機関の機構への加入は任意
 機構の正会員団体については、機構のHPをご確認ください。https://jac-skill.or.jp/


お時間があるかたは、以下の手引きを読み込んでみてください。なかなかよくできています。

外国人就労管理システム の概要

・新規申請→新規申請の手引き


・受入報告→受入報告の手引き なんと2021年6月付け!


せっかくの機会なので、私は特定技能外国人向けの外国人就労管理システムと、技能実習生向けの登録書類の全てに目をとおしました。最も大きな違いは特定技能外国人制度が技能実習生制度の問題点をみごとに補完していることです。具体的にいくつか挙げると、日本人と同等の給与や処遇が保証されているか、住居の手配は確実か、さらに入管を通過した後のお迎えはどうするのかまで書面に明示させます。技能実習生においては毎日のように奴隷扱いされ雇い主が労働基準監督署にされるニュースが流れてきます。技能実習制度が1日も早く制度改正されたり特定技能への移行特例が急務です。

JACが建設業団体、専らスーパーゼネコンの幹部で構成されていることはその⑧で書きました。ここから読み取れることは何か示します。CCUSは建設業にとって支出ばかりの仕組みです。資本金毎に登録料が徴収され、2023年からは日本中の現場の入退場費用を人数分負担します。一方JACは特定技能外国人労働者に係わる様々な費用を強制的に徴収する団体です。このような仕組みは一組だけでは無いでしょうが、CCUSと外国人労働者の関係において大企業ほど帳尻が合うようにできていることがお分かり頂けると思います。一方、中小企業は負担のほうが大きくなるように設計されています。

ここに気付いたとき、あっぱれ、流石としか言い様がありませんでした。そりゃあCCUSの導入も必死にもなろうというものです。1日も早く収支のバランスをとりたいでしょうからね。ゼネコン批判してるわけでは無いのでそこはご理解ください。



この大風呂敷に隠された思惑はまだまだ根深いです。続きを読んでいただけると分かります。


ここから有料です。これも我ながらよく見つけたなと自画自賛。逆にいえばその⑧に続きよくもまあこんなメチャクチャがまかりとおるものです。

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