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CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと③

建設キャリアアップシステム(CCUS)と周辺の最新情報についての、その3です。国土交通省の公式HPについては、必要に応じてシリーズ初回noteより確認してください。今回は4.から......ではなくて、

②に追加することあり〼!

前回「CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと②」の最後で「現場ID登録数」についてその重要性を説明しました。これはCCUSに登録された工事現場の数です、この値が少なすぎる、普及しているなんていえない、国交省の資料は都合よく編集されている、という内容でした。

自分でも分かっちゃいたんです。その根拠に足りない部分があることを。裏付け資料を見つけ出せていなかったので本文を先にリリース、その3で補足しようと思っていました。4.以降の原稿書きながらいま、二徹してやっと目的の資料を見つけたので、説明を追加します。

どんな根拠が足りなかったかというと、現場ID登録数38,644が大変少ないとした根拠です。建設投資額50兆円で、1億円の工事を仮定すると官民合わせた現場の数は50万。だから38,644現場(工事件数)は異常な少なさだとしたのですが、多からず少なからずで1億円と見積もったことと、50万現場のどちらか一方でもよいので裏付けが欲しかったんです。

まず考えたのが、

1年間の総工事件数(官民)≦現場数』という式です。

1年間の総工事件数(官+民)をY、現場数をXとすると、Y≦X ただしYは1以上

この式の意味を説明します。公共工事も民間工事も1工事単位で発注されます。しかし、当該現場が必ずしも1ヶ所とは限りません。必ず1以上の値をとります。よって現場数は工事件数以上になるという不等号で結ばれる式としました。

一方、出典にふさわしい公的統計データは総工事費や総請負額など金額:円で集計されたものばかりで、現場数を調査した統計は見つかりませんでした。てゆーか、二徹しても見つけられません。不思議とあきらめかけたころ、たどり着くもんですね。


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これ開くと、こんなエクセルシート。

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出典として申し分のない総務庁統計局。「発注機関別公共機関からの受注工事件数と請負契約額」令和元年(2019年):執筆時の最新値 工事件数総数は210,548でした。

この値は公共工事のみの集計なのでこのままでは使えません。次の値を利用して民間工事件数を求め、不等式の左辺に代入して単位の変換をします。

年間の建設工事費総額に占める公共工事の割合は例年およそ40%です(その2の国交省グラフほか多数の資料より)。

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ここから民間工事件数を計算すると315,822件となり、官民を合わせた工事件数は526,370となります。前提式1年間の総工事件数(官民)≦現場数、より、526,370≦現場数

不等号より、比較しやすい千の位で切り上げて現場数は53万件としました。

1年間の総現場数は53万

その2で1件(1現場)1億円としてざっくり計算した値が50万件でした。参考に50兆円で逆算すると1件9,400万円位です。直感で決めた割にはいい線行ってた感じ。


まとめます。

年53万現場に対して、2年6ヶ月かけても決して右肩上がりといえない隠されていたグラフ、
システム本稼働を経た累計でもわずか38,644現場という事実。

次回以降の連載でも触れますが、要となる現場作業員がついて来ない現状が分析できていない中で「様々な建設現場においてCCUSの活用が広がりつつある」とは間違えても言えないです。

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次回 その4 近日公開(=_=)ネムイョ‐





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