iPadと写真管理
iPad一本化計画と題した前回のレビューから更に4ヶ月が経過しました。先に結論を述べると、完全なiPad一本化は2023年現在でも不可能、と至りました。
しかし今回は2年前の挫折とは違いかなり印象は良い。将来的にいくつかの障壁が突破されれば一本化成し得るのかも、という結果です。今回はその理由をお話ししていきます。
iPadでの写真管理
ボクがiPadだけでは足りないと感じたのは、写真管理についてです。
前提としてボクは一眼カメラを愛好するアマチュアカメラマンで、今回の内容はカメラが好きな人にしか当てはまらないと思います。それを前置きして本題に入ります。(逆を言えば写真を本気で撮らない方にはもうiPadで十分かもしれません)
Lightroom CC一択しかない
iPadの場合、網羅的な写真管理を行うにはLightroom CCを使用することがほぼ唯一の選択肢です。
純正の写真アプリでは細かいフィルタリングやレーティング(採用フラグや5段階の評価)ができないだけでなく、他アプリから写真、スクショなどが入ってきてしまうため管理が煩雑になってしまう。
そもそも他の写真アプリではRAWを扱うことはできても、写真管理まで包含したものはiPadではLightroomCC以外には見つけられませんでした。(そもそもiPad OSではファイルアプリが◯ソすぎるので管理アプリに頼らざるを得ないというのもある)
Lightroom CCの欠点
とは言え、Lightroom CCにも欠点はあります。それはクラウド内のフィルタリング機能です。
本家Lightroom Classic CCと比べて検索できる項目が少ないのはもちろん、問題なのはその検索範囲。
LightroomCCで検索がかけられるのはクラウドに保存されている写真に限定されてしまう。クラウド容量の都合上、ローカルに移した写真はフィルタリングすることができないため、網羅的な管理が難しくなってしまいます。
余談ですがLightroom Classic CCであればカタログ管理のため、内部ストレージや外付けSSDなど関係なく横断的な写真管理が可能です。
クラウド容量の限界
LightroomCCの通常プランの場合、そのクラウド容量は1TB。更に容量を追加することもできますが、それ相応の金額がかかってきます。所詮アマチュアのボクにとって月¥1,078円以上の課金は気が引けるので、どうにか1TBでやりくりしたいのが本音。
例年、ボクが撮影する写真の容量は年間で約250GB程度。単写メインのストリートスナップだったこともあり、クラウドストレージは十分利用可能だと考えていました。
しかし、今年に入り飛行機撮影をするようになったことを機に連写撮影が増え、年間で500GB近い容量を消費するようになってしまいました。
これでは1TBの容量では約2年分しか保存できず、上記の制約から網羅的に写真を管理することが難しくなってしまいます。
iPadメインで写真管理をするには
上記のデメリットから、Lightroom CCでiPad主体の写真管理は諦めかけていました。
しかし改めて自分の写真現像フローを考え直してみると、実はLightroom CCの1TBを主体で十分対応可能では、と思うようになりました。
JPEG主体にする
ボクは写真を撮影するとき、RAW + JPEGの両方をデータで残すようにしています。しかしボクが富士フイルムのカメラを使用していることもあり、実際にRAW現像することはほとんどないことに気づきました。JPEG撮って出しで完結してしまうことがほとんどです。
ならば頻度の高いJPEGのみをLIghtroomCCのクラウドに保存することで、クラウド容量の圧迫を防ぐことができるのでは、と至りました。
実際にJPEG(FINE)の画像容量が1枚10MB程度に対し、RAW(非圧縮)は50MB程度。以前はRAWもJPEGも両方クラウドに保存していたので、単純計算でデータ容量は1/6にまで圧縮することに成功しました。
RAWは必要に応じて使う(ただしPC依存)
JPEG主体の写真管理ならば、いっそJPEGだけの保存でも良いのではと思われるかもしれませんが、ボクのフローでは必要だったりします。
それがX RAW STUDIOというソフトウェア。これは富士フイルムのカメラに特化したもので、フィルムシミュレーションをRAW画像に後付けすることができるものになっています。ボクは主に新しいフィルムシミュレーションのカスタムを作りたいときにこのソフトウェアを使用しています。
そしてこのソフトウェアは、現状PC(Windows,Mac)版しかリリースされていません。そのため、iPadだけではなく、必要に応じてMacはどうしても必要になってしまいます。
Bridgeで包括管理(ただしPC依存)
Adobeのプランを契約するとBridgeというソフトウェアを使用できるようになります。
これはLightroomからカタログ管理と現像フローを差し引いたようなソフトウェアで、写真管理に特化したものになります。
このソフトウェアを使うことで、Lightroom Classic CCほどではないにせよ、クラウドから溢れた古いJPEGやRAWについてはBridgeを使うことで、網羅的な写真管理が可能になります。
使い勝手は正直Lightroomの方が優れていると思いますが、とりあえずできるのでヨシとします。
あ、ちなみにBridgeもPCソフトウェアなのでMacは必要になります。
iPad一本化の波は来ている
つらつらと書いていきましたが、写真管理というフローに置いては未だにPCを介在させるフローがベターであるという結論に至っています。
しかしながらフローを整理することで、iPadがメイン、PCがサブくらいの立ち位置まで迫ることが可能と考えています。今後ファイル管理と横断的な写真管理ができるようなソフトウェアが開発されれば、PCからの脱却が見えてくるのではないでしょうか。
これからのiPad OSの進化に期待です。