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斬新な働き方の常識 サイボウズ社長青野氏著書『会社というモンスターが僕たちを不幸にしているのかもしれない』の感想

【多少ネタバレ】
働きやすさで注目を集める、業務改善クラウドサービスなどを提供するサイボウズ(株)の社長、青野さんによる著書です。
読んだ感想としては、従業員目線で、どういう会社を選ぶべきかなどが書かれており、会社員の常識を覆すような視点もあって、目からうろこでした。

世間には名の知れている企業だとしても、その大企業は創業したときの理念を忘れて巨大化しているのではないか、と疑問を投げかけておられます。また、そういった大企業は、世間からはいい会社のように思われているけれど、モンスターかもしれないと言われいています。企業の実名まで出しているので一瞬、大丈夫か?とも思いましたが、それほど青野さんは経営者として自社には自信があるのだと思います。
 理念をなくした会社は早く潰してしまえばいい、という主張もありました。そしてまた新たな会社を立ち上げればいいとのことです。ここは誤解をしてほしくないのですが、著書を読めば、青野さんは社員がいかに幸せに仕事ができるかを考えてこのような主張をされています。

いちばん衝撃的だったフレーズは「利益はカス」でした。サイボウズではありませんが、近い理念をもっている会社として、このような理念が紹介されていました。売上から人件費を含む原価を引いたものが利益ですが、売上は取引先や社員など協力してくれた人たちすべてに還元されるべきだ、とのことです。利益をして残しておくのは望ましくないのだそうです。多くの会社では、利益!利益!と追求し、会社の目的こそ利益あげることではないのかとも思っていたので驚きの考え方でした。

次にフラスコ理論。
働きやすさで注目を集めるくらい、サイボウズは社員の力を最大限発揮するため、働き方の自由度がたいへん高いようです。それゆえ社員の個性も発揮されやすい職場だということです。
例を挙げると、地方の地元でのリモート勤務OKだとか、副業OKだとか、転職した後の出戻り就職もOKだとか、時短勤務ももちろんOKだとか。。しかしそこまで自由だと、まとまらないのではないかと思ってしまいます。現に同社の広告を目にするくらい有名で、結果も残しているはずなのに、そんなやり方でうまくいくの?と思ってしまいます。語弊があるかもしれませんが、私だったら甘やかされたら頑張れない気がします。そこは優秀な社員がそろっている、というのもあるかもしれませんが、読んでいて、重要なポイントがあるのだと私は理解できました。
それがフラスコの形状にあるように口が空いている方向を一つ決めること。これがフラスコ理論の考え方なのですが、つまり、ビジョンや方向性を一つの方向に絞るということです。部下などチームメンバーにはどんなに自由にやってもらっていいが、ビジョンと方向性は絞るのです。
なにかのチームメンバーになったときや特にリーダーになったときに活かせるのではないかと思いました。

この著書は、そんなやり方でうまくいくの、と心配になるくらい今までの会社や働き方の常識を覆す考え方を知れる本でした。
これから先の会社のありかた、働き方を描いてくれて、新しい仕事のしかたのヒントを与えてくれるのではないかと思います。
みなさんもぜひ。



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