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京都エッセイ⑤大学デビュー失敗Ⅱ

 前回のエッセイでは痛々しい学生であったことを書いた。今回はさらに具体的に深掘りしていく。

 幸せになる方法的な本を読んで試したのは、
『毎日誰かに幸せだと伝えること』
これは読んで字の如くだが、加えて僕はこの章に書いていた
『出来ればあなたのおかげで幸せと伝えましょう』も実践した。

「あなたに会えて僕は幸せです。」

 そう会う人会う人に言い続けたのだ。

 結果はドン引き。

 当たり前である。

 そんなことにも気がつけないほど、僕は必死だった。なるべく一人の時間を作らないように、一人であることを忘れられるように、自分が錯覚するように勤めた。

 だから先生に質問をよくしに行った。質問をするために最前列の席で、先生の発言一つ一つをノートに書き取り、疑問点や質問を洗い出す。授業後に話しかけやすいように発言も必ずするように心がけた。
 そうすることで、自分は先生に質問に行っているのであって、友人がいないわけではないと思い込んだ。だが授業中、うるさくて怒られる人たちを見て内心、馬鹿だな、大学に何しに来てるんだと思いつつも、羨ましくて仕方がなかった。

 そんな同級生は子どもだと決めつけ、先輩とよくつるむようになった。つるむと言っても先輩はカフェに連れ出して、僕の愚痴を聞いてくれるか叱責してくれるだけだったので、不良の道にはいかない。

 しかし焦っている僕はそれらに聞く耳をもたなかった。

 ここでもダメだと否定されるのか!? 
 僕をダメだというのか!? と先輩にくってかかった。
 それをお前らしいととってくれる先輩と、面倒くさいと離れていく先輩。後者のことを前者に愚痴り、お前も悪いところがあると言われ、お前もの『も』に気づかず、また先輩に食ってかかる。その繰り返しだ。

 自分がおかしいのかという疑念を持ち始めた僕は大学のカウンセリングにも通った。だが毎回君は病気ではないと言われて帰されるだけ。

 せっかくできた友人と仲良く居続けるために褒めまくれば、あいつには中身がないと影で言われていたことを知り、直接問いただしたこともある。

 そんなことをしているものだから、大学始まってすぐにできた友達のほとんどがいなくなった。そのせいか、今も関わり合いがある大学時代の知り合いの99%は先輩である。

 次回大学デビュー失敗編ラスト‼︎
 ようやく転機が訪れる?

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