名古屋エッセイ(2)大須商店街、探索。
前回の名古屋エッセイでは名古屋の話より京都の話や比較の方が多くなってしまった。
あくまで京都に毒された人間、呪われたかのように京都に帰りたいと思っている人間の与太話だと思っていただけたら幸いである。
前回の名古屋エッセイでは、栄や名古屋駅の話をした。そこ以外に遊ぶところはないのか、と職場の人に聞いてみたが、誰もなかなかいい意見がでない。岡崎や豊洲といった車で行くようなところが多く、なかなか名古屋市内では候補が上がらない。
あまりにも上がらなすぎて、他所者には教えられないと言うことかと勘繰ってしまったくらいだ。
だがいろいろな人に聞いていくうちにそいくつか電車で行けそうなところが見つかった。
その一つが今回のタイトルにもなっている大須商店街だ。
商店街と聞いて、はじめはシャッター街をイメージしていた。人通りが少なく、ただショートカットがわりに使われているようなのを想像していた。
だが、大須商店街はシャッターを探すほうが難しいほど、栄えていた。
有名なチェーン店は抑えめで、地元の飲み屋や立ち飲み屋、最近流行っている10円パンや次に来ると言われ続けているバナナジュースのお店、韓国系のお菓子やコスメを扱っているお店、革製品のお店、中古のパソコンショップなど、さまざまなお店がある。
そのどれもに人の気配が溢れていて、デートしているカップルや学校帰りの友達同士の語らい、真剣に悩んでいるオタクのような風貌の男性、オホホと笑う主婦の方々などこちらも様々。
歩いていて、いろんなお店を見られるだけでなく、いろいろな人を見ても楽しい場所だ。
京都でいうところの河原町に近い。Movix京都やOPAがあるあたりの雰囲気があった。いろんな人が歩いている。
京都と少し違うのは雑多な雰囲気だろうか。少し商店街を外れたところの壁にはスプレーアートが目立ち、空き缶やタバコのゴミも多い。復元が不可能なくらいに破れたフライヤーの端が、まるで砂漠の回転草のように風に運ばれていくのを見たことがある。京都ではあまり見ない光景であり、そういった点ではどちらかというと大阪の商店街と近いかもしれない。
だが大須商店街は広さで言えば京都や大阪にも負けない。4本くらいの道が縦長にあって、それらの両端、また道路沿いの店も含めると全てを見て回ろうとすると一時間以上はかかるだろう。不思議の国のアリスをモチーフにした雑貨屋や、不思議な品揃えの楽器屋、自分で組み合わせて作るイヤホン専門店、コンセプトカフェなど、立ち寄りたくなる魅力的なお店がたくさんある。
その中でも個人的に好きなのが、『ロッキンロビン大須店』だ。
テレビで紹介されていて、それで気になって行ったのだが、そこの名物であるマカロンサイズのハンバーガーが美味しい。一口で食べれる感じはヤングドーナッツみたいなお菓子感があるが、噛むとすぐに溢れる肉汁はハンバーガー特有のパンと口の中で混ざり、それがいかにもアメリカンで美味しい。見栄えもよく、ついパクパク食べてしまい、料金がすごいことになったこともある。
是非行ってみて欲しい。
また、大須商店街は栄にも近く、栄でショッピングした後に寄ってみるのもアリである。
そうすれば1日10000歩は軽く超える結果になりそうだが。
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