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Duke Ellington “Mood Ellington”

40年代後半から50年前半まで製造されていた海外の10インチLPは、国内盤がない作品が多い。レコードの背面に印字された英語の解説を抄訳してみたので、「あ、こういうことを言ってるんだ」という風な感じでご覧ください。

和訳

ポピュラー音楽における作曲家の最高峰、デューク・エリントンは、その天才的な才能を、新たな挑発的な楽曲群で示し続けている。これらの録音は1948年のエリントンであり、現代的でありながら時代を超えた新鮮さ、ムード、独創性を備えている。

デュークと彼の音楽について話すのは、音楽そのものを聴くようなものだ。吟味すべき倍音や微妙なニュアンスがあり、結論がはっきりしないうちにデュークは別の通路に進み、一瞬の印象だけが残る。

その中でも特に印象派的なナンバーが「On a Turquoise Cloud」で、デュークは気分を描いた“トーン・ペインティング”と表現している。ここでは、歌詞をつけずに歌う女性の声をバンドの楽器として使うことで、音楽の神秘的な性質を実現している。トロンボーンのタイリー・グレン、クラリネットのジミー・ハミルトン、バスクラリネットのハリー・カーニー、ヴァイオリンのレイ・ナンスをバックに、サックスとトロンボーンのセクションがユニゾンでメロディーを奏で、ケイ・デイヴィスが歌う。ローレンス・ブラウンのトロンボーンソロが印象的な曲である。

「Hy'a Sue」では雰囲気が一変し、安定したリズムの軽快なナンバーとなり、楽器のソロが主役となる。トロンボーンのタイリー・グレン、テナーサックスのジミー・ハミルトン、アルトサックスのジョニー・ホッジスのソロが聴ける。

デュークが世界一の都市を描いた「New York City Blues」には、他の多くの作家の作品に見られるような洗練、ロマンス、哀愁が感じとれる。デュークの目を通して見たニューヨークの街は、実にリアルで生き生きとしている。ジョニー・ホッジスのアルト・サックスがデュークのピアノを拡張し、ゴッサムのスカイラインの背景を丁寧に埋めながらテーマを後退させる。

「Lady of the Lavender Mist」は、美しい女性の夢であり、謎に包まれた女性であり、曖昧であり、ソロ楽器が彩りを添えると、一瞬はっきりと浮かび上がる、とデュークは語っている。テナーサックスにジョニー・ホッジス、クラリネットにジミー・ハミルトン、バリトンサックスにハリー・カーニー、トロンボーンにローレンス・ブラウンがソロを務め、それぞれが独自の色とスタイルで全体のムードを支え、調和させている。

もうひとつの女性美を謳う曲は、美しいブロンド女性を音楽的に表現した「Golden Cress」だ。デュークは、彼女の美しさの興奮と気分の変化を、音量、音色、テンポの操作で描写的に捉えている。ローレンス・ブラウンのトロンボーンは、温かみのある音色と愛撫のような即興演奏によって、この絵を描き出す。

「The Clothed Woman」は、エリントンが並列に書いていることが分かる。彼は〈和声のパターンとリズムの図形〉の関係に特別な配慮をし、その対比の中で、様々なスタイルの服装に反応する「観察者の鼓動」を描いている。「本当に服を着た女性になるためには、気分、ペース、スタイルを頻繁に変えなければならない。」このレコードの最後には、遊び心のある瞬間が訪れる。デュークは不協和音を用いて、とてもスタイリッシュな所作の束縛からくる疲れを抱えた〈衣服を着た女性〉のアンニュイな感じを表現している。

「The Three Cent Stomp」は、トランペットにチャーリー・ベイカー、トロンボーンにタイリー・グレン、トランペットにレイ・ナンス、ベースにオスカー・ペティフォードを迎えている。タイトルの“stomp”という言葉が物語るように、エリントンは別のムードに移っていく。ここにはダンスや、少なくともリズムに敏感な人々の熱心な注意を引く、弾むような作品がある。

「Progressive Gavotte」は、色彩感の強いムードとリズムを集めた最後の曲であり、高度に図式化されたダンス・パターンがソリストによって器用に即興演奏されている。ジミー・ハミルトンが再びクラリネットを、ハリー・カーニーがバリトンを、ハロルド・ベイカーがトランペットを、ジョニー・ホッジスがアルトサックスを演奏している。

テンポとテクスチャーが変化する8つのムードが、それぞれに独特の興奮と温かさを生み出している。

原文

Duke Ellington, the peer of composers in the popular idiom, continues to demonstrate his genius in a new group of provocative compositions. These recordings are the Ellington of 1948: modern in their timelessness and timeless in their freshness, mood and originality.

Talking to Duke about his music is like listening to the music itself: there are overtones and subtleties to be examined, and before one is quite sure of his conclusions, Duke has gone on to another passage and only a fleeting impression remains.

One of the most impressionistic of these numbers is “On a Turquoise Cloud”, which Duke describes as a tone painting of a mood. Here he implements the mystic quality of the music by using the female voice, singing without lyrics as an instrument of the band. Thus Kay Davis is heard singing with Tyree Glenn on trombone, Jimmy Hamilton on clarinet, Harry Carney on bass clarinet and Ray Nance on violin, backed by the saxophone and trombone sections playing the melody in unison. Lawrence Brown plays the trombone solo in this arresting composition.

The mood changes in “Hy'a Sue” to a sprightly number with a steady rhythm with the principal features being the instrumental solos. Tyree Glenn on trombone, Jimmy Hamilton on tenor sax and Johnny Hodges on alto sax are heard in the solo spots.

In “New York City Blues”, Duke's impression of the
world's greatest city, one can detect the sophistication, the romance, the pathos found in the works of many other writers. Seen through Duke's eyes, the city comes to life with great realism. Johnny Hodges' alto sax briefly extends Duke's piano on the theme, retiring as Duke carefully fills in the backdrop of Gotham's echoing skyline.

“Lady of the Lavender Mist”, Duke says, is the dream of a beautiful woman, a woman surrounded by mystery, evasive, briefly emerging into clear focus as solo instruments add color. Johnny Hodges solos on tenor sax, Jimmy Hamilton on clarinet, Harry Carney on baritone sax and Lawrence Brown on trombone, each sustaining the over-all mood, blending in his own colors and his own style.

Another ode to feminine beauty is “Golden Cress”, a musical description of a lovely blonde. Duke captures the excitement of her beauty and the change of her mood in his descriptive manipulation of volume, tone and tempo. Lawrence Brown's trombone etches the picture with warm tones and caressing improvisation.

The Clothed Woman finds Ellington writing in parallels. He has given special consideration to the relationship between the harmonic pattern and the rhythmic figures, and, in their contrasts, depicts the pulse of the observer as it responds to various styles of habiliment— “To be really the clothed woman, one must really change often in moods, paces, styles”. In a moment of whimsy at the end of the record, Duke strikes a dissonant note representing the ennui of the clothed woman as she approaches exhaustion from the rigors of her highly styled conduct.

“The Three Cent Stomp” features Charlie Baker on trumpet, Tyree Glenn on trombone, Ray Nance on trumpet and Oscar Pettiford on bass. The word “stomp” in the title tells the story as Ellington moves into another mood: here is a bouncy piece of business inspiring dancing or at least the avid attention of the rhythm-conscious.

“Progressive Gavotte”, the final shift in the collection of highly colored moods and rhythms, a highly figured dance pattern, dextrously improvised by the soloists. Jimmy Hamilton again plays clarinet, Harry Carney baritone, Harold Baker trumpet and Johnny Hodges alto sax.

Here is one of the most timely, perceptive and imaginative collections of Ellington magic-eight moods of shifting tempos and textures, each generating its own peculiar excitement and warmth.

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