最近の記事

レッスンの前の緊張

琵琶を習っている。もちろん、自分の意志で習っている。 琵琶は良い。まず、珍しい。多少下手でも、個性という抜群のタグが付いて来る。 そして楽器形が良い。えも言われぬ雫型で、見た目にエキゾチックな説得力がある。 腕前は中の下だ。習った何年を鑑みると、なんなら下手くその部類だ。しかし、サンクコストが辞めることを躊躇わせる。 昼に歯医者へ行き、レッスンのある2時まで小一時間タリーズでコーヒーを飲む。よくこのパターンになるけれど、この時間がとても辛い。 まず、そもそも先生の前で上手く弾

    • マーシーの芽胞

      会社の後輩に可愛らしい男の子がいる。 素朴で屈託がなく、仕事に対しても真摯に臨む。 前向きで、結婚への憧れもあるという。人を疑わない。最近犬を飼い始めたという。 『オォオ…!』と思う。 彼と接する度、私は『オォオ…!』と思う。 他になんとも形容し難い、オォオ…!が胸を塞ぐのだ。 いや、彼を汚らわしい目で見ている訳では、断じてない。可愛らしいが、そういうのではない。 日々少しでも手を抜いてやろうというスタンスの、こと仕事に関して特に卑怯で姑息な私も、彼の曇りのない眼に当てら

      • 朝マックで何を頼むか

        文章打つのって面白いような面白くないような。 自分の中に大したものがないのが明らかになってしまって、目を背けたくなるな。 この調子で続くのか。無理やり続ける事に意味があるっぽいので、続ける。頑張れ。頑張ろう。 毎週木曜日の朝はマックに行く生活が続いている。水曜夜に実家に泊まるので、会社の送迎バスが来るまでの時間潰しであって、朝食を取るためでもない。 なので、大抵はカフェラテを頼んで、3〜40分時間を潰すのだ。 直前にゆるキャンを読んでいたので、大したことのない事象に対して

        • 無常ということ

          この世は無常という慣用句が、あんまりにもありふれ過ぎているので、無常だというのが実感出来ない。 無常だから楽しい。赤ちゃんが育つのは無常で、永遠に育たない幼児なんて不気味だ。発表会なんぞでピアノが弾けるようになるのも無常だからである。 桜を褒めそやすのは無常であるからで、一年中咲いてれば根本でお弁当なんて食べない。 無常のメリットは手放しで謳歌するように、無常のデメリットも、手放しで受け入れられれば良いのにな。 お父ちゃん老け込んだなぁ。頼もしい父だったけど、今は呂律もまま

        レッスンの前の緊張

          自己啓発イ◯ポ

          小学校に入学して以降、スクールカーストやヒエラルキーの様な概念に右往左往させられてきた。 全く無駄な事をした。 もっと早く脱して、世の有意義な物事にフォーカスを向ければ良かった。全く勿体ない事をした。 いきなり2回も遺憾の意を表明してしまったけれど、若さは不可逆なのでもう云うまい。 嘘。もう何度だって口にしちゃう。 勿体ない事をした。 40になる。結婚はした。子は居ないが、いわゆる選択子無しだ。収入は並よりちょっと下で、突出した趣味や才能は無い。 主人は優しく、人格者だ。

          自己啓発イ◯ポ