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『稲盛和夫一日一言』 6/7(水)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 6/7(水)は、「いい仕事をする条件 ③」です。

ポイント:いい仕事をするために必要不可欠なこと、それは「地道な作業を続けていくことを厭(いと)わないこと」。

 2009年発刊の『働き方』(稲盛和夫著 三笠書房)の中で、いい仕事をするために不可欠な条件について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 一つは、「細部まで注意を払うこと」です。
 二つ目は、「理屈より経験を大切にすること」です。
 
※それぞれ、『稲盛和夫一日一言』6/5,6/6の内容をご確認ください。

 三つ目は、「地味な作業を続けることを厭(いと)わないこと」です。
 仕事は、日々継続してこそ進歩があります。地味な仕事を、日々続けていく中でこそ、確かな技術と経験が蓄積されていきます。
 そのような地味な努力を厭わず、「継続する力」がない限り、優れたものづくり、自他ともに満足するような仕事は不可能だと言っていいでしょう。

 この三つは、仕事に取り組むための根幹となる考え方、いわば働くうえでの基本姿勢ともいうべきものではないでしょうか。(要約)

 地味な努力の大切さについては、2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の「地味な努力を積み重ねる」の項にも、次のように記されています。

 大きな夢や願望を持つことは大切なことです。しかし、大きな目標を掲げても、日々の仕事のなかでは、一見地味で単純と思われるようなことをしなければならないものです。したがって、ときには「自分の夢と現実の間には大きな隔たりがある」と感じて思い悩むことがあるかもしれません。
 しかし、どのような分野であっても、地味な努力の繰り返しが必要なことに違いはありません。偉大なことは最初からできるものではなく、地味な努力の一歩一歩の積み重ねがあって初めてできる、ということを忘れてはいけません。
(要約)

 ウェブサイトやカタログ販売で、一般消費者向けに有機野菜、特別栽培農産物、無添加加工食品等、安全性に配慮した食品・食材を提供している企業、オイシックス・ラ・大地の代表取締役社長 髙島宏平氏は、『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社)6月7日の中で、次のように話されています。

 手探りで始めたビジネスでしたが、初年度は惨憺たる状況でした。しかし不思議なことに「失敗するかもしれない」という思いが頭をよぎることはありませんでした。
 それは、私にはお客様が望んでいるサービスを提供していけば必ずビジネスになる、という信念があったからです。
 ビジネスにおいては、アッと驚くようなアイデアよりも、誰もが当たり前に感じることを当たり前に行っていくこと、そしてその努力を地道に続けていくことが大切なのではないかと思っています。(要約)

 こんな毎日を続けていて、自分にはどんな未来が拓けているんだろう、と思わず身震いが起きるほどの漠とした不安にかられたことはありませんか?
 賽の河原で石を積むように、一つ積んではまた次を積み上げる。しかし、強風が吹くか何かの拍子に、今まで懸命に積み上げた石積みはガラガラと崩れ落ちて、石たちは元あった状態に戻ってしまう。

 そうしたとき、京セラフィロソフィを通じて学んだのは、たとえ地味で単純な作業であっても、「昨日よりは今日、今日よりは明日」と、小さな創意工夫、改良改善を続けていく、ということでした。そうすることで仕事のレベルは必ず向上していきますから、それは次第に周囲の人たちをも巻き込んで大きなうねりを生み出し、さらに破壊力を増したビッグウェーブは、目の前の巨大な壁をぶち壊し、さらに未踏の領域にまで自分たちを押し上げてくれます。

 一人でやれる仕事は知れていますが、一人の人間が「地道な作業を続けていくことを厭わない」という姿勢を持ち続けることが、大きなことを成し遂げるための原動力となっていく、ということは紛れもない事実だと思っています。


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