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『稲盛和夫一日一言』 1月9日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1月9日(火)は、「思いは必ず実現する」です。

ポイント:思いは必ず実現する。ただそれは、強い思いに裏打ちされた願望、夢でなければならない。

 2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)「思いは必ず実現する」の項で、強い思いを持つことの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 いささかなりとも、「自分の思いや目標が実現できないのではないか」という恐れや疑いを抱いてはいけません。
 思うには思ったけれども、「いや、どうかな」というふうに、少しでもクエスチョンを入れるような思い方を絶対してはなりません。壮大なことを思っても、自信がなく、少しでも不安に思えば、思いは実現しません。
 「必ず実現できるのだ」という固い信念を持って、それを思い続けなければ意味がないのです。そこにいささかでも恐れや疑念を挟んでは実現しないのです。

 昭和53年(1978年)、「潜在意識にまで透徹(とうてつ)する程の強い持続した願望、熱意によって、自分のたてた目標を達成しよう」という経営スローガンを掲げました。

 そうした潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望、熱意をもって臨まなければ目標を達成することはできません。逆に言えば、どうしてもこうありたいという強い願望を抱き続ければ、どんなに高い目標であろうとも実現できるということです。つまり、「できる」と信じることが大事なのです。

 さらに昭和57年(1982年)、「新しき計画の成就は只不屈不撓の一心にあり さらばひたむきに只想え 気高く強く一筋に」という経営スローガンを掲げました。
 これは中村天風さんの本の中から引用させていただいたものですが、まさに「思いというものが正しいものであるならば必ず実現できる」ということを言われたものです。

 一切の疑念を持つことなく、純粋に思い続ける。何としてもそれを実現したいという強い思いがありさえすれば、必ず実現するのだということを、ぜひ十分に認識していただきたいと思います。(要約)

 今日の一言には、「人がどうしてもこうありたいと強く願えば、その思いが必ずその人の行動となって表れ、おのずと実現する方向に向かう」とあります。

 1989年発刊の『心を高める、経営を伸ばす』(稲盛和夫著 PHP研究所)「信念にまで願望を高める」の項で、名誉会長は次のように述べられています。

 状況妄動型の人間であってはならないと思います。
 状況妄動型とは、「こうしたい」と思ったけれども、社会情勢、経済情勢などから考えてみれば、実現困難であるとすぐに思ってしまう人のことを言います。状況を理解すればするほど、不可能であるという結論に自分を導いていくのです。

 一方、心の奥底からこうありたいという、強い願望を持った人ですと、周囲の環境がいかに難しくとも、願望を実現するための方法を考えていきます。そこに努力と創意が生まれてくるのです。

 同じ厳しい環境に置かれても、状況妄動型の人は、状況が悪いことを理解し、その結果自分の願望が無謀であったことを悟るだけですが、心の奥底から発し、信念にまで高まった願望を持っている人は、問題をいかに解決するかという創意工夫と努力を始めるのです。

 つまり、「状況は我に利あらず」と理解したときに、自分の願望を捨てる人と、次の瞬間から改めて勇気を奮い起こす人の違いです。
 人生において、素晴らしい歩みをしていく人、挫折につぐ挫折を重ねていく人、また平々凡々と進む人、その違いはここにあると思います。
(要約)

 京セラ在籍40年を経て退職し現在に至る。周囲の人から見れば、ごく平凡な社会人生活を送ってきただけの私の人生ですが、振り返ると素晴らしいときもあれば挫折を繰り返す厳しいときもあり、決して平々凡々ではなかったのではと、個人的には思っています。

 では、これからの残りの人生をどう生きるのか、またどう生きたいのか。
 決して状況妄動型の人が導いてしまいそうな安易な結論に陥ることなく、「世のため人のためになりたい」という心の中の願望を少しずつでも育てながら、日々勇気を奮い起こしながら暮らしていければと願っています。


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