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『稲盛和夫一日一言』1/15(日)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1/15(日)は、「狂であれ」です。

ポイント:バリアを越えるには、それを打ち破れるだけのエネルギーが必要。「狂」がつくほどの燃えるような情熱や熱意、すさまじいばかりの根性、執念といったものがバリアを越えていくためのエネルギー源となる。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、困難に真正面から立ち向かうときの覚悟について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 困難な状況に遭遇しても、決してそこから逃げてはいけません。追い込まれ、もがき苦しんでいるなかで、「何としても」という切迫感があると、普段見過ごしていた現象にもハッと気づき、解決の糸口がみつけられるものです。
 また、「火事場の馬鹿力」という言葉があるように、切羽詰まった状況のなかで、真摯な態度で物事にぶつかっていくことによって、人は普段では考えられないような力を発揮することができます。

 人間はえてして易きに流れてしまいがちですが、常にこれ以上後にはひけないという精神状態に自らを追い込んでいくことによって、自分でも驚くような成果を生み出すことができます。

 自らを追い込むということは、それに熱中するということです。熱中して、他のすべてが見えなくなってしまって、ただそれだけに没頭する、つまり、精神、意識が集中している状態を言います。
 つまり、自らを追い込んでいくことによって、精神的な閃きを得られると同時に、想像もつかないような物理的な力をも発揮することができるのです。
(要約)

 稲盛名誉会長とともに第二電電の創業に参画され、後に副社長まで務められた千本倖生さんは、今日の一言「狂であれ」という言葉について、次のように話されています。

 会社や部門のリーダーに対して、稲盛さんはある意味の「自己犠牲」を求めます。巨大な規制や独占企業に対して戦いを挑むような場面では、通常の熱意ではダメで、人間性と情熱の次元をはるかに高めなくてはならない。だからあえて「狂であれ」という言葉を使っていました。

 ときに厳しく接することで従業員の内面を変え、自分と同じ次元にまで上がってきてもらいたいという考え方です。思想を注入し続けることで、人は変わります。自発的、自律的に動くようになるのです。第二電電で一緒に働いていた当時は、仕事を楽しみ、さらには仕事に「酔う」ところまで追求していく。そこまで導いてもらったという思いがあります。

 実際にビジネスが動き出せば、合理的な手順を踏んで進んでいきます。しかし、ある巨大な壁を突破するときには、全員が「狂」とか「酔い」の状態になっていることが重要です。そのためには全員の次元を高めていくことが必要なのです。稲盛さんには、このことを教えてもらったように思います。(『PRESIDENT』 2019年7月5日号より一部抜粋)

 今日の一言には、「燃えるような熱意、すさまじい根性と執念などが、バリアを越えるエネルギー源であり、チャレンジの必要条件となる」とあります。

 とてつもなく大きなバリアを越えていくには、それを打ち破るだけのエネルギーが必要です。それはいつも出せるわけではないでしょうから、自分の精神状態を何段階も上げて、普段では想像もつかないようなパワーを発揮できるところまで自らを追い込んでいく。それが「狂」といえる次元なのではないでしょうか。


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