見出し画像

京都大学11月祭レポートvol.1【KaiRA編part.1】

紅葉美しい京都へ

今年に入ってから一気に「アフターコロナ」の機運が盛り上がり、私自身も外へ繰り出す機会がぐっと増えた。
「stay home」で家にこもりっぱなしだったコロナ禍。
生活スタイルはガラリと変わり、個人的にはコロナ前に戻った感覚である。

11月23日の勤労感謝の日。祝日ということで、ふらりと京都へ。

20度近くまで気温も上がり、心地よい秋晴れの日。
しかし京都の町は見渡す限り、外国人観光客で溢れかえっていた。
紅葉が見ごろということもあり、とにかく観光客でごった返していた京都駅周辺。
バスでのんびりと旅を楽しむか!という優雅なテンションは一転し、ぎゅうぎゅうの車内でもみくちゃにされながら、「京大正門前」に何とかたどり着いた。

リベラルな学風 知の殿堂「京都大学」

日本国内の大学で最もノーベル賞受賞者を輩出している知の殿堂、京都大学。
7~8年前、「BS-TBS報道部」というBS-TBSの報道番組を担当していた頃、「京都大学の教育改革」というテーマで、アナウンサーと取材に来たことがある。
強烈な個性を放つ学生の取材が主な内容で、数多く経験した取材の中でも特に印象的な現場だった。
その取材以来ということもあり、正門を見た瞬間、またエキサイティングな体験ができるとボルテージはマックスにまで上がっていた。

当時は京大名物「タテカン」が所狭しと並び、自由な物言いが個人的に興味深かった。
今はその「タテカン」もなくなっていた。

ただ、伝統を途絶えさせないのが京都大学の強さ。

タテカン制作サークルがタスキをつないでいた。

最大の目的「京都大学人工知能研究会KaiRA」メンバーに会いに

そもそも今回「京都大学11月祭」へ足を運んだ理由は、「eスポーツ×生成AI技術イノベーション研究会」に技術協力体制を組ませていただいている「京都大学人工知能研究会KaiRA」が出展していたからである。

「京都大学人工知能研究会KaiRA」とは、2017年4月に発足したサークル。
「AIを勉強したい」という有志の集まりで、会員数は66人にも上る。
やはり所属メンバーで多い属性は「理系」。
工学部や理学部が多いようだ。納得である。

「週1回の輪読会」や「学園祭での出展」といった活動の他に、彼らは「kaggle(カグル)」というAIの世界的コンペティションへもチャレンジしている。

成績はさすがとしか言いようのない、見事な順位が並ぶ。

「kaggle」とは、「The Home of Data Science & Machine Learning」(データサイエンスと機械学習の家)として知られる、機械学習・データサイエンス関連のコミュニティ。約40万人いると言われている。

「KaiRA」もこの「kaggle」のコミュニティに属し、チームを組んでコンペティションで腕や知識を磨いている。
客観的な評価につながるクオリティは、競争環境から培われていたというわけだ。

今回私が体験してきたのは、以下6種類のAIデモ。

  • 手書き文字認識AI

  • 忖度オセロAI

  • 歌詞からアーティスト判定AI

  • フェイク画像判定AI

  • 似てる芸能人判定AI

  • Diffusion Model サンプリング

この回では、「手書き文字認識AI」について取り上げたい。
残りの5つは「part.2」でご紹介していく。

手書き文字認証AI

いわゆる当研究会がテーマに掲げる「画像認識」、「AI-OCR」の技術である。

KaiRAでは「CNN(Convolutional Neural Network)」というディープラーニングを使用し、画像認識プログラムを構築していた。
「CNN」とは、対象物の形の特徴を抽出する「畳み込み層」と、余計な位置情報などを削ぎ落す「プーリング層」、最終的にデータ判別を決定する「全結合層」によって画像認識を行う技術である。

画像認識AIの最もメジャーな技術で、Pythonによってプログラミングを行っていた。

左上の白いスペース部分に、手書きで文字を書き認識させる。
特に認識が難しいと言われる「n」と「0(ゼロ)」で、早速体験してみた。

まずは「n」。

ご覧の通り、3つの候補には入るが「確定」が難しい。
このときは「Pが最も可能性が高い」という結果になった。
続いて「r」。
確かに形が似ている。
こうした似た形を、どう区別するかを試行錯誤しているのだという。

ちなみに独学で私自身もPythonの画像認識に挑戦したが、「4」の認識に苦労した。
どう学習させ、可能性を絞っていくかが本当に難しいのだ。

次は「0(ゼロ)」で体験。

結果は「U」と出た。
「0(ゼロ)」、「O(オー)」と続く。
こちらは、「byclass」と「letters」のモードで出た結果。
数値的には僅差ではあるが、文字決定の難易度が高いことが伺える。

一方で、「baranced」モードで試してみたところ、以下のような結果に。

「0(ゼロ)」、「O(オー)」、「D」という結果に。
正確に「0(ゼロ)」と判別できた。

今回難易度が特に高い文字に限定して体験したが、他の文字に関して精度は抜群。
よくぞここまで精度があげられるなと、素人ながらに舌を巻いた。


この「手書き文字認識AI」だけでも際限なく遊んでいられたが、他にも魅力的なAIが用意されていたので、体験してきた。
次回、詳しくレポートしていく。

京都大学11月祭レポートvol.2【KaiRA編part.2】へ続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?